ミサイルじゃない? ロケットぶっ放す「92式地雷原処理車」 発射後が“決死のお仕事”

総火演などで実射を披露する「92式地雷原処理車」。撃ち出される大型ロケットは、実は敵を攻撃するものではないとのこと。どのように使う装備なのか見てみます。運用には知られざる苦労もあるようです。

撃った後に控えている重要な作業とは?

 92式地雷原処理車は、その派手な見た目から最初のロケット投射に目が行きがちですが、実はその後の方が重要です。このロケットの中には26個の爆薬ブロックが収納されており、ロケットを投射すると後部にあるパラシュートが展張することで、車体とつながった「制動索」と呼ばれるゴムロープによって、ロケット内部に入っている爆薬ブロックを引きずり出す構造になっています。

 つまり、ロケットの前進力と、ゴムの後ろに引っ張る力が互いに働くことで、爆薬ブロックはまっすぐな状態に伸ばされて地上へと落達するのです。

 この爆薬ブロック1個でどれだけの幅を処理できるのかは公表されていませんが、全幅3.4mの90式戦車も楽々通れるほどに拡幅できるといわれているため、最低でも直径5m程度、最大でも直径8mほどの地雷原突破口を作り出せると考えられます。

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偽装を付けた92式地雷原処理車。走行姿勢のため、発射機は下げられたまま(武若雅哉撮影)。

 ただ、問題はここからです。もし、地面が凹んでいたり、爆薬が樹木に引っ掛かったりした場合、地面に設置してある敵の地雷に爆風が到達せず、地雷が処理されない状態で残ってしまいます。

 そうなると味方の戦車などが地雷原を安全に通り抜けられないため、92式地雷原処理車を運用する施設科部隊の隊員は、味方の掩護射撃を受けながら地雷原まで走り、地雷の未処理部分がないかどうかを確認しなければならないのです。

 これは決死の作業で、実際に対抗演習と呼ばれるような、赤外線で交戦する装置、通称「バトラー」を用いた訓練では、多くの施設科隊員がこの障害処理中に敵(対抗部隊)から狙い撃ちされ、「死亡」判定を受けています。

 この部分は、総火演では披露されることはありませんが、実は重要な作業だといえるでしょう。

【貴重かも】派米訓練時に実施した「フル装薬」での爆破シーン

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