戦闘機の訓練、今のままじゃダメ! 米空軍の新型練習機T-7A 「実機に乗らない」時代への工夫

アメリカ空軍の新型練習機T-7Aを、メーカーであるボーイングは単なる練習機ではなく「教育訓練システム」と呼称しています。パイロット訓練は従来のままでは立ち行かなくなる――そのような世界的な認識のなかで作られた新機軸を探ります。

地上訓練を増やしてコスト縮減…だけじゃない

 これらの地上訓練器材はT-7Aの実機と同じソフトウェアを使用しており、学生パイロットは従来の練習機の地上訓練機材に比べて、より実機に近い環境での訓練を受けることが可能となっています。

 また、360度の視界を確保した兵器システムシミュレーターも開発されており、基礎的な飛行訓練はもちろんのこと、空対空および空対地訓練やレーダー操作などの訓練も、地上で行える仕組みとなっています。

 シミュレーターの使用比率を高めて、実機による訓練を減らすことができれば、訓練コストを低減することもできます。ただ、5月に来日したボーイングの防衛宇宙・セキュリティ部門グローバルセールス&マーケティングのジョン・スーディング氏は、「アメリカ空軍は訓練コストの低減よりも、学生パイロットがより中身の濃い訓練を受けることで、訓練終了時に獲得している技量を、現在の水準より引き上げることを第一の目標としている」と述べています。

新型戦闘機への対応も容易に

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シミュレーターとしての機能も有している(ボーイングの映像より)。

 アメリカ空軍はF-35AとF-15EXの両戦闘機の配備と、新爆撃機B-21A「レイダー」、新戦闘機「NGAD」の開発を進めています。

 練習機については、1950年代に開発されたT-38では、グラスコックピットやGPS航法装置などが採用されたF-16やF-22などの訓練を十分に行えないと判断して、グラスコックピット化などを施したT-38Cへの改修を行いましたが、ハードウェアを入れ替えたこの改修に伴う費用は、小さなものではありませんでした。

 これに対しT-7Aは、大型液晶ディスプレイを使用するグラスコックピットを採用していますが、新型機が登場しても、ソフトウェアを更新するだけで容易にその航空機の訓練に最適化することができます。

【ゲームじゃない】T-7Aと米空軍の新機軸「没入型訓練」ほか 画像で見る

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