戦闘機の訓練、今のままじゃダメ! 米空軍の新型練習機T-7A 「実機に乗らない」時代への工夫

アメリカ空軍の新型練習機T-7Aを、メーカーであるボーイングは単なる練習機ではなく「教育訓練システム」と呼称しています。パイロット訓練は従来のままでは立ち行かなくなる――そのような世界的な認識のなかで作られた新機軸を探ります。

パイロット訓練 今のままではダメ! 世界の潮流に日本は?

 航空自衛隊の次期戦闘機をはじめ、今後開発される戦闘機は、UAS(無人航空機システム)との協働が必須になると考えられています。現時点でアメリカ空軍はT-7AにUASとの協働を前提とする訓練機能を追加することを求めていませんが、T-7Aは設計や仕様を公開することで機能の追加を容易にする「オープン・アーキテクチャ」を採用しており、前に述べたスーディング氏は、UASだけでなく、将来開発される兵装やセンサーなどへの対応も、容易に行えるとの見解を示しています。

 2022年3月にロンドンで開催されたイベント「ミリタリー・フライト・トレーニング」に参加した各国空軍の幹部は、現状の訓練のあり方では戦闘機パイロットの育成は困難であり、変革が必要であるとの見解で一致しており、アメリカ空軍は「パイロット・トレーニング・ネクスト」という名称の改革計画を進めています。

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航空自衛隊のT-4練習機。運用開始から30年以上が経過している(画像:航空自衛隊)

 航空自衛隊のT-4練習機も、そろそろ後継機を検討しなければならない時期を迎えていますが、これまで述べてきたように、戦闘機や爆撃機のパイロット訓練のあり方は大きな変革期を迎えています。たとえばT-4をグラスコックピット化するといった小手先の対応では、変革から取り残されてしまうと筆者は思いますし、防衛省・航空自衛隊には大きなビジョンを持って、T-4の後継機の選定、さらに言えばパイロットの教育訓練のあり方の改革を進めて欲しいとも思います。

【了】

【ゲームじゃない】T-7Aと米空軍の新機軸「没入型訓練」ほか 画像で見る

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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