もはや操作レスも!? 電動車いすの進化が止まらない ポスト自家用車として注目も「踏切は避けて」

運転免許を返納し、自家用車を手放す高齢者が増えるなか、その受け皿になっている移動手段のひとつが「電動車いす」です。他の電動モビリティと同様、この分野も驚くべき進化を遂げていますが、その一方で課題も顕在化しています。

運転操作がまったく必要ない車種まで登場!

 2022年5月に東京都内で開催された「バイシクルシティ・エキスポ」では、電動アシスト自転車や電動キックボードなどのほか、電動車いす領域の新作も多数出展。日邦電機のブースでは、アタッチメント式のハンドバイク「SAVER」が注目を集めていました。こちらは一般の手動の車いすに取り付けることで、電動車いすになるというもの。

 もう一台、会場で存在感を放っていたのが、配送ロボットなどを手掛けるZMPが開発した歩行速モビリティ「RakuRo」です。こちらは、ハンドルもジョイスティックもなく、タブレットに表示された地図上で場所を指定すれば、自動でその場所に連れて行ってくれるの。道交法上では電動車いすに含まれるため、公道(歩道)を走れるほか、搭載のカメラが信号を認識し、停止や発進の判断もしてくれます。

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ZMPの「RakuRo」(乗りものニュース編集部撮影)。

 自動車を卒業後の高齢者の移動手段として、今後も進化が楽しみな電動車いすですが、課題もあります。数のうえでは少ないとはいえ、電動車いすは高齢者が使用する他の製品よりも死亡事故の割合が高いことが明らかになっています。

 とりわけ事故が多いのが「踏切」です。独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)によると、レールとレールの間に車輪が挟まれたり、脱輪したりして立ち往生する事故が相次いでいることから、同機構は踏切の通行を避けるよう呼び掛けています。また、道路の側溝に脱輪、坂道でバランスを崩して転倒、あるいは道路横断中における自動車との衝突事故などが多く発生しています。

 こうした事故を防ぐため、各地で安全講習会も実施されています。前述のスズキでも、2022年から直営以外の販売店も含め電動車いすの安全講習を行っているそうです。

【了】

【危ない!】「踏切は避けて」と言われるワケ 画像で見る

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