北陸本線「北陸トンネル」が開通した日 在来線最長 今も残る「旧線」-1962.6.10

60年前の6月10日、北陸本線の北陸トンネルが開通しました。

足掛け5年のスピード完成

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北陸トンネルを抜けて南今庄駅へ進入する特急列車(乗りものニュース編集部撮影)。

 今からちょうど60年前の1962(昭和37)年6月10日。北陸本線の敦賀~南今庄間にある北陸トンネルが開通しました。

 福井県の嶺南と嶺北を分ける「木ノ芽峠」の山地を貫く、長さ1万3870mのトンネルです。日本の在来線専用トンネルでは今も最長で、2位は上越線の新清水トンネルの1万3490mです。

 北陸本線の敦賀~福井間が開業したのは1896(明治29)年。それから66年間、北陸本線は、海側の斜面上を迂回するルートをとっていました。しかし鉄道需要の増加とともに、単線・急カーブ・急勾配の旧線では対処しきれなくなりました。そこで1950年代に入り、峠を一本の長大トンネルで抜ける計画が決定されたのです。

 ちなみに滋賀県の木之本からそのまま北上し、栃ノ木峠を抜けて今庄へ直結する構想もありましたが、実現しませんでした。福井県側の高低差に対処できないこと、敦賀市街を「素通り」することに反対の声が上がったことなどが理由です。

 北陸トンネルの工事は「底設導坑先進上部半断面工法」という、まずは下半分を先に掘り進め、湧水の排出や地質調査を行いつつ、あとから上半分を施工する工法を中心に進められました。さらに斜坑や立坑で直接掘削地点へアクセスし、そこから掘り進めることで、複数工区を同時進行するという方法がとられ、工期短縮が可能に。当時のトンネル建設としては画期的なものでした。

 総工費は81億円。1957(昭和32)年11月に着工し、4年半後のきょう、開通を迎えました。

 廃止された「旧線」は今も一般県道として姿をとどめており、峠のスイッチバック式信号場の面影も色濃く残されています。単線用の幅しかないトンネルのいくつかは、自動車の鉢合わせを防ぐため、入口に信号機が設置されています。

 そして現在、北陸新幹線の敦賀への延伸工事が進められており、北陸トンネルに並行するように、西側に新たな「新北陸トンネル」が建設中。新北陸トンネルは在来線の北陸トンネルを上回る、1万9760mもの長大トンネルとなっています。

【了】

【トンネルや信号場がそのまま 北陸本線「旧線」の風景を見る】

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