市販「Eバイク」ウクライナ軍で重宝 かつてとは異なる現代銀輪部隊に求められるもの

Eバイク、日本では「モペット」の呼称が一般的なペダル付き電動バイクが、現代戦の繰り広げられるウクライナで重宝されているそうです。しかも市販品がほぼそのまま使われているとか。そこには戦況および現代戦ゆえの理由がありました。

Eバイクの戦場での活用 手放しで評価できない側面も…?

 ウクライナ軍で使われているEバイクは、おもに同国のエリーク社やデルファスト社製の市販車がベースです。路上での最高速度は80km/hから90km/h、一度の充電で100kmから300km程度の電動走行が可能とされます。市販価格は40万円前後で、ガソリンエンジンのモトクロスバイクより安価です。エリーク社によれば、モトクロスタイプのEバイクの在庫は全て軍に提供したそうです。

 ウクライナ軍には、イギリスから供与されたNLAW対戦車ミサイルを搭載できるよう、後部を改造したEバイクもあるといいます。

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NLAWを搭載できるよう改造された、デルファスト製Eバイク(画像:ウクライナ軍/ダニエル・トンコピ/一部加工)。

 NLAWはひとりで扱うことができ、重さは12.5kg、ただし同じ対戦車ミサイルで昨今、一気にその名を知られるようになった「ジャベリン」よりも構造は簡単なものです。慣性航法装置とジャイロの組み合せで目標の未来位置に弾着する方式で、発射後の誘導はできず、命中精度は「ジャベリン」より劣ります。有効射程距離も800mと、ジャベリンの2000mから2500mに比べると短いものです。

 こうして見ると、「ジャベリン」対戦車ミサイルをEバイクに積めば「最強忍者」の誕生となりそうなものですが、「ジャベリン」は全体の重さが20kg以上あり、操作要員も基本ふたり必要なため、Eバイクで運用するには無理がありそうです。

 神出鬼没のEバイク+対戦車ミサイルの組み合せはウクライナ軍でも評価する声があるようですが、一撃離脱の忍者だけでは戦に勝てません。Eバイクは全く防御力がなく、戦車に見つかったらひたすら逃げるしかなくなります。そもそも市販車であり、軍用としての使用に応える耐久性も保証されていません。NLAWミサイルは使い捨てですが、Eバイクも使い捨てに近い使い方をされているのかもしれません。

 そしてその戦い方も、バイクのモトクロス運転技術とミサイルを扱える技能をもった少数精鋭による不意急襲であり、特攻作戦にも近い危険なものです。防戦を強いられるウクライナ軍による、やむなく実施せざるをえない苦肉の策である、ともいえるでしょう。

【写真】本来の姿は…街なかのデルファストEバイク「Top 3.0」を見る

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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