市販「Eバイク」ウクライナ軍で重宝 かつてとは異なる現代銀輪部隊に求められるもの

Eバイク、日本では「モペット」の呼称が一般的なペダル付き電動バイクが、現代戦の繰り広げられるウクライナで重宝されているそうです。しかも市販品がほぼそのまま使われているとか。そこには戦況および現代戦ゆえの理由がありました。

より有用なEバイクの使い方は? オーストラリア陸軍の場合

 ステルス性に優れたEバイクの活用は、各国陸軍が10年ほど前から研究をしています。軍用では偵察監視に使えると評価されていましたが、バッテリー性能の向上など技術革新により、戦力化の目途が立つようになってきました。

 オーストラリア陸軍は装備近代化計画のなかで、偵察用に装輪8×8の「ボクサー」偵察戦闘車を採用しており、これにEバイクを搭載して運用することが考えられています。バッテリー性能が向上したとはいっても航続距離の短さは電動車両全般の弱点でしたが、作戦地域まで「ボクサー」に載せて運ぶことで補完するというわけです。これにより、大型の「ボクサー」より目立たないEバイクによって偵察員の行動範囲は大きく広がり、Eバイクからセンサーや通信、航法装備に電力供給できるということで、その偵察能力は大幅に向上します。

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オーストラリア陸軍の「ボクサー」偵察戦闘車とEバイク(画像:オーストラリア国防省)。

 市販車にも、モトクロス仕様のEバイクが出回り始め、従来のガソリンエンジンとは違った乗り味を楽しむ向きも増えているようです。操作法も異なり、経験者によれば全く別の乗りものといってもよい感覚だそうです。

 乗りものの電動化は急速に進んでいますが、スポーツカーやオフロードバイクなど「趣味性」の高い乗りものでは、ガソリンエンジンにこだわる向きもあります。ミリタリーでは、趣味性や嗜好は考慮されません。「使える」乗りものだけが生き残ります。

 Eバイクはオフロードバイクの新たなイノベーションになるのでしょうか。ウクライナでの実戦が、その試験場になってしまっているのは残念なことです。

【了】

【写真】本来の姿は…街なかのデルファストEバイク「Top 3.0」を見る

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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