中国軍機が豪加哨戒機に「危険な威嚇」 そうするに至る彼らなりの「理屈」はどこに?

中国側の理屈はどうなっている?

 このように、一見すると乱暴に思われる中国側の行動ですが、果たしてそこにどのような理屈があるのでしょうか。

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カナダ空軍のCP-140「オーロラ」哨戒機(画像:カナダ政府)。

 中国は、自国沿岸部に近い空域での他国軍用機による偵察活動を「国家の安全保障上の脅威」と位置付けています。さらに、「領海」より外側に広がる「EEZ(排他的経済水域。海洋資源など一定の範囲で沿岸国に主権的権利や管轄権が認められる海域)」の上空において「自国の安全保障上の権限を及ぼすことができる」と考え、ここを飛行する他国軍用機の行動に制約を設けることができると整理しているのです。

 実際に、これまで中国は自国のEEZ上空を飛行する他国の軍用機に対して妨害行為を行ってきており、2014(平成26)年には中国南部に位置する海南島の沖合を飛行していたアメリカ海軍のP-8A哨戒機に対して、中国軍のSu-27戦闘機が接近したうえで危険な飛行を行いました。さらには、2001(平成13)年に同じく海南島沖合を飛行していたアメリカ海軍のEP-3E電子偵察機に対して中国軍のF-8戦闘機がインターセプトし、結果、空中衝突するという事件も発生しています。

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