トヨタの“名無しモビリティ”人テク展名古屋に初登場 動くカゴ?「これいいね!」の声

「一等地じゃないブース」の救世主?

 このモビリティ、来場者の反応は「こうしたモビリティがあればいいね!」と、概ね好評。展示会は最新の情報の宝庫ですが、目的の出展者を探して大型化した会場を歩き回るのは一苦労なので、新しいモビリティがその悩みを解消してくれるなら歓迎です。しかし、実用化、さらにイベントに導入ということになると、主催者や出展者はそのコストを負担しなければなりません。

 人テクの主催者「自動車技術会」がこのモビリティに目を付けた理由は、まさにそこにありました。

 例えば、駅前の不動産などと同じく、展示会場にも一等地とそうでない場所があります。来場者が見落としてしまうような細かい出展区画にモビリティが確実に連れて行ってくれるような付加価値があれば、主催者や出展者からのモビリティに対する評価も、さらに上がります。

 あるいは、オンライン参加者が、リアル会場の来場者のように、モビリティに乗って展示ツアーを楽しむことができれば、これもモビリティが作る新しい価値になるかもしれません。

 前出の開発者はこう話します。

「まだ開発の初期段階。条件さえ整えば製品を作ることは可能ですが、その先にどうなるか。展示会だけでなく、観光地、空港など、いろいろな場所で、誰のためになるのか、誰が喜ぶのかという新しい価値を探しているところです。だから、公表できる名前もまだありません」

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人とくるまのテクノロジー展名古屋会場(乗りものニュース編集部撮影)。

 人テク名古屋会場は新型コロナ禍で2020年の開催を断念。2021年はオンライン開催に挑戦しました。そして2022年はリアル会場+オンラインの同時開催。リアル会場は6月29日~7月1日まで。6月29日~7月4日までは出展者の講演などをオンラインで同時開催しています。

【了】

【こいつ動くぞ!】モビリティ乗車中の様子 写真で見る

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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