「コオロギ入り機内食」どんな味? ZIPAIRの国内初「衝撃メニュー」実食 昆虫入りの“メリット”とは?

コオロギ、そしてコオロギ入り機内食を実食

 グリラス社の「コオロギパウダー」の原料となるコオロギは、食品残渣(人間の食べ残しなど)100%で育てられるようにしているのが特徴です。「食料残渣を食べたコオロギが育ち、それ加工して人間が食べる」というループによって、人間がタンパク質を摂ることによる環境負荷を軽減する効果などが期待されています。また「味よく育てたい」(グリラス社社長)のこだわりもあり、餌によって味が変わりやすいコオロギに与える食物も工夫しているとのことです。

「原料となるコオロギを食べたんですが、豆と干しエビをミックスしたような感じで、ビールのおつまみに合いそうな感じなんです」と話すZIPAIRの西田真吾社長。つられて筆者も食べてみましたが、味はまさに西田社長の話すとおり。実物を見ないと、まず昆虫、ましてやコオロギだとは思えません。

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「コオロギパウダー入り機内食」を持つZIPAIR西田社長(2022年7月、乗りものニュース編集部撮影)。

 今回、ZIPAIRが提供する「コオロギパウダー入り機内食」は2種類。「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」です。「トマトチリバーガー」はバンズとパティに、「ペスカトーレ」はソースに「コオロギパウダー」を入れています。量は4~5g。小さじ一杯とほぼ同程度です。外観上はパウダーを混ぜたことにより、普通のメニューよりも少し灰色がかった色合いをしています。

 食べてみると、2品ともに若干、食感にザラつきがあるかなといった感覚。コオロギの味を知ってからメニューを食べても、「ほんのわずかに香る」程度のレベルです。「ペスカトーレ」は魚介風味の増強に「コオロギパウダー」に一役買っているといった感じであるほか、バーガーのバンズなどはパウダーが入っているからか、「全粒粉入りの香り高いおしゃれパン」の様相すら呈しており、人によっては、むしろ通常のバンズより美味しいと感じる人もいるかもしれません。

 ZIPAIRでは今回の「コオロギパウダー入り機内食」をはじめ、20種類以上のメニューを提供。「『チキン・オア・ビーフ』ではなく、他社の0.5歩先の取り組みをし、新しい選択肢をもつ、航空会社として認知していただければ」と西田社長は話します。

【了】

【写真】マジやんけ…。「グリラスパウダー」に使われるコオロギ(実物)

Writer: 松 稔生(航空ライター)

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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