機雷敷設の犯人はロシアかウクライナか 穀物輸出を阻む厄介者どう駆除 日本も無関係でない?
ロシアのウクライナ侵攻後、黒海に敷設された機雷について、ロシアとウクライナは「どちらが敷設したのか」という点などで批難の応酬をしています。本稿では侵攻当初からの状況を検証し、その実態と今後の課題を探ります。
黒海の機雷、大半はロシアが敷設?
そもそも機雷には大きく分けて「沈底式」「係維式(けいいしき)」「浮遊式」の3種類が存在します。
「沈底式」はその名のとおり、海底に沈降させておくタイプのもの。「係維式」は機雷本体が海底に沈んだ係維器に鎖で繋がれているため、潮流などで流されることはありません。それに対し、「浮遊式」は海面を漂うタイプの機雷で、潮流で広範囲に拡散し、船舶の航行に支障をきたすので厄介です。浮遊式はハーグ条約で禁止されており、今回見つかった浮遊する機雷については触角にキャップが付けられたままなので、威嚇目的なのか手違いで漂流したのか不明です。
機雷はウクライナにとって敵の上陸阻止の役割を果たします。一方、ロシア軍にとっても、黒海艦隊による海上封鎖に加え、機雷による港湾の閉塞という二段構えの策として、大きなメリットがあります。
前述のとおり2月24日に侵攻を開始したロシア軍は、28日にアゾフ海のベルジャンシクを占領し、東のマリウポリは3月9日から攻撃を開始しています。西部ではオデーサ沖から砲撃やミサイルを撃ち込みました。アゾフ海では、ウクライナ海軍は早期に艦艇をロシア軍に鹵獲(ろかく)されており、機雷を敷設する余裕はありません。つまり、進攻当初から黒海艦隊が制海権を握っており、西部でウクライナが機雷を敷設できるのは沿岸の水路に限られているという状況です。
ロシアにもウクライナにも、機雷敷設艦はありません。第2次世界大戦後、機雷敷設艦を使っている国はほとんどなく、通常は補助艦艇や潜水艦、航空機が主体となって機雷敷設作業を行っています。
その流れを受け、ロシア黒海艦隊には機雷敷設も行える汎用性に富んだ補助艦艇が多数あり、加えて所属するキロ級および改キロ級の通常動力型潜水艦は、24基の機雷を魚雷発射管から射出できるほか、船体外部のラックにも搭載できるようになっています。
上記のような両国軍の現状に加え、機雷の敷設は危険を伴うため数百個もの数となると、その作業には時間がかかるといえるでしょう。したがって、敷設を行う艦艇の数や制海権を考えると、機雷の大半はロシアのものと考えるのが妥当なのです。
そうなんだよね。掃海戦力を十分もっているのはアメリカ軍以上もっているのは日本なんだよね。