機雷敷設の犯人はロシアかウクライナか 穀物輸出を阻む厄介者どう駆除 日本も無関係でない?
ロシアのウクライナ侵攻後、黒海に敷設された機雷について、ロシアとウクライナは「どちらが敷設したのか」という点などで批難の応酬をしています。本稿では侵攻当初からの状況を検証し、その実態と今後の課題を探ります。
現状、ウクライナに掃海艇は無し
さらに、機雷を除去する掃海艇についても検証してみましょう。
ロシア黒海艦隊は2022年7月現在、9隻の掃海艇が現役です。対して、ウクライナ海軍は旧ソ連からの独立後に掃海艇5隻をロシア黒海艦隊から譲渡されています。そのうち2隻は2012(平成24)年と2013(平成25)年に相次いで退役、2隻は2014(平成26)年のクリミア紛争でロシア側に拿捕されており、最後の1隻も今回のロシア侵攻直後の2022年3月に鹵獲されています。
ただ、このようななかウクライナは、2021年6月にイギリスからサンダウン級掃海艇2隻を供与してもらうことで合意しています。とはいえ、この2隻は2022年秋と2023年に引き渡される予定であることから、今回の戦争中の実現は難しい状況といえるでしょう。
なお、2022年4月にデンマークからドイツ製の対機雷無人探査機「シーフォックス」を供与されており、ウクライナにとって、2022年7月現在、これが唯一の掃海装備となっています。
ロシアはオデーサ沖の機雷をウクライナが掃海すれば、穀物などの海上輸出を認めるとしていますが、これは、ウクライナに掃海能力がないのを承知で、暗にロシアが把握できていないウクライナ側が敷設した機雷の掃海を要求しているとも取れます。つまり輸出を再開したければNATO(北大西洋条約機構)で掃海しろという政治的意図もうかがえそうです。
そうなんだよね。掃海戦力を十分もっているのはアメリカ軍以上もっているのは日本なんだよね。