機雷敷設の犯人はロシアかウクライナか 穀物輸出を阻む厄介者どう駆除 日本も無関係でない?

もしかしたら海上自衛隊にも声掛けが…

 ウクライナ政府は、黒海の機雷の影響で84隻の外国船が足止めされており、およそ2000万tにのぼる穀物輸出に影響が出ていると発表しています。イギリスは西側諸国による輸送船団の派遣を提案しましたが、これを実行するには、まず掃海作業が必要でしょう。

 しかし、黒海の掃海は休戦にならないと開始できず、仮に始めても数か月にわたる大規模な作業になります。現在確認されている機雷はオーソドックスな係維式と考えられますが、ロシアが筐体(きょうたい)に誘導魚雷を内蔵したホーミング機雷を使用している場合は、かなり厄介なことになりそうです。

 そうなると、誰が掃海するのか。黒海沿岸で有力なトルコは、ウクライナ沿岸に艦艇を派遣するのはロシアとの関係から難しいでしょう。NATO内で最も可能性が高いのはイギリスですが、黒海における機雷除去は、湾岸戦争後のペルシャ湾で行われた掃海作戦並みの大規模な活動になるといわれています。

 そのような大規模な活動の場合、イギリスだけでは手に余る状況になると考えられることから、この喫緊の課題を解決するために、もしかしたら歴史的にも経験豊富な海上自衛隊に声がかかる可能性も捨てきれないといえるでしょう。

【了】

【実物の機雷の大きさは? 機雷処分の様子ほか】

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Writer: 時実雅信(軍事ライター、編集者、翻訳家)

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

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コメント

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1件のコメント

  1. そうなんだよね。掃海戦力を十分もっているのはアメリカ軍以上もっているのは日本なんだよね。