ポーランド、韓国から戦闘機FA-50も“爆買い”のナゼ ウクライナとドイツのはざまで
FA-50 導入の理由は?
ポーランド空軍は主力戦闘機としてロッキード・マーチンのF-16C/Dを使用しています。FA-50とその原型機であるT-50は操縦装置にF-16と同じサイドスティックを使用し、コックピットにもF-16C/Dと同様、2枚の大型液晶ディスプレイを配置するなど、F-16と高い互換性を備えているものです。
ポーランドのマリウス・ブワシュチャク国防大臣は、F-16の操縦経験のあるパイロットのFA-50への機種転換が容易であることを、FA-50導入の理由の一つとして挙げています。今回導入計画が発表された48機のFA-50のうち12機は、2023年中に引き渡される予定となっています。
なぜいま? ウクライナ侵攻後にポーランドが置かれた立場
ポーランドはロシアのウクライナ侵攻に危機感を募らせており、2023年度から国防費を対国内生産(GDP)の3%にまで引き上げる計画を発表しています。Su-22の後継機を提案していた他のメーカーがどのような納入スケジュールを提案していたのかは定かではありませんが、防衛力を早期に強化したいポーランドにとって、導入計画発表から1年半で12機のFA-50の納入を可能とする韓国の提案は、ポーランドにとって魅力的であったことは間違いありません。
FA-50はポーランドに「選ばれるべくして選ばれた」と言えますが、ポーランド国防省がFA-50と同時に導入計画を発表したK2戦車とK9戦車の導入の背景には、ポーランドのドイツに対する不信感もあるものと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
地理的に韓国がロシアから直接侵攻される心配がほぼない、貿易も程々だから外交が悪化してもあまり困らないからガンガン押している感じもする。