ポーランド、韓国から戦闘機FA-50も“爆買い”のナゼ ウクライナとドイツのはざまで
ドイツは助けてくれない
ウクライナの隣国であるポーランドはNATO加盟国の中でもウクライナに対する軍事的支援に力を入れており、同国陸軍の主力戦車であるT-72Mを200両以上、ウクライナに供与しています。
ポーランドはウクライナに供与したT-72Mの穴埋めとして、韓国にK2、ドイツにレオパルト2戦車の最新仕様、レオパルト2A7の購入をそれぞれ打診しましたが、ドイツ政府が難色を示した結果、2022年中に180両の納入を約束したK2を選択したと言われています。
ドイツは2022年4月にゲパルト対空戦車をウクライナに供与すると発表しましたが、最初の3両がウクライナに到着したのは3か月を経た7月のことで、7月26日付のフィナンシャルタイムスは、ドイツ語で地上最速の動物であるチーターを意味するゲパルトが「亀のような速度でウクライナに到着した」と、揶揄交じりで報じています。
ロシアのウクライナ侵攻を「明日はわが身」として危機感を募らせているポーランドにとって、ドイツのこのような姿勢は容認できるものではなかったと考えられます。
今回ポーランドが導入を決めた韓国製兵器は、性能面において競合他社の製品と遜色はなく、またポーランド軍の要求に応じた早期の引き渡しや設計変更、ポーランド政府が求めた国内生産の要求に、韓国政府と韓国企業が柔軟に対応したことが最大の勝因であったことは間違いないでしょう。ただ、ことK2戦車に関していえば、意地の悪い言い方をすればドイツの“アシスト”も少なからず影響したものと、筆者には思えてなりません。
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Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
地理的に韓国がロシアから直接侵攻される心配がほぼない、貿易も程々だから外交が悪化してもあまり困らないからガンガン押している感じもする。