線路横断ダメ!「勝手踏切」に白い門をつけたワケ そもそもなぜ廃止できない?

鉄道事業者が設置したのではない非正規の踏切を「勝手踏切」と呼びますが、この数が全国最多なのが愛媛県です。伊予鉄の沿線にも多く存在し、ある場所はフェンス状の門まで付けられています。

一概に撤去できない切実な事情とは

 なぜ、わざわざここまでするのか――この場所は線路の反対側に畑があります。つまり「勝手踏切」を渡らないと畑に到達できないのです。法令上は横断禁止でも、立地上やむを得ないため苦肉の策といえそうです。

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用水路の脇に「勝手踏切」があり、そこにはフェンス付きの門が設置されている。写真は畑側で、途切れたガードレールは踏切の向こう側にある(小川裕夫撮影)。

 そして、注目したいのが「勝手踏切」の下に用水路が流れている点です。用水路は地域全体の公共物であるため、歴史的に見ると所有権が曖昧なことが多々あります。日本では近代化の過程で、地域全体のインフラは法定外公共物として扱うようになり、長らく国が所有権を持ち市町村が管理するという体制が整えられました。

 2000(平成12)年に地方分権一括法が施行されると、国が保有していた所有権も段階的に市町村へと移譲。すべての所有権が市町村へと移譲されたわけではありませんが、現代においても管理体制が不明確なものが残っているのです。この用水路も、所有権が誰なのかをはっきりさせなければ、「勝手踏切」の対策すら立てようがありません。

 昨今、再び「勝手踏切」がクローズアップされるようになると、国土交通省は通行しないよう通達を出しています。

 とはいえ前出の江ノ島電鉄では、「勝手踏切」を含む通路が、津波や土砂崩れといった災害時の避難路として機能している箇所もあるほど。「勝手踏切」は法と慣習の狭間にあるといえるでしょう。

【了】

【写真】「勝手踏切」に付けられた実家のポーチみたいな「門」

Writer:

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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コメント

1件のコメント

  1. 頭カチコチにだめとかいうのではなく、

    そこの事情にあわせ、柔軟に対応して、必要なとこはOKなことにしたらいいのに。

    議員が書類送検とかって大袈裟なこともあったけど、

    見通しのいいとこであれば、問題ないだろうし、カーブだの見通し悪いとこは警報機つけるとか、対応したらいいのに

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