新情報で振り返る韓国艦による火器管制レーダー照射事案 「自衛措置」は成立するか?

韓国海軍艦による海自機への火器管制レーダー照射事案の発生から3年半、これに関連した新たな情報が報じられました。当時の韓国政府は「自衛権」の範疇という認識だったといいますが、正当なものなのでしょうか。

自衛権にも種類がある?

 まず、中央日報の報道にある「自衛権」という言葉についての整理が必要です。一般的に、国家が他国から攻撃を受けた際に反撃する権利のことを「自衛権(right of self-defense)」といいますが、実は、ひと口に自衛権といってもこれには種類があると考えられています。

 ひとつは、前述のように「国家が他国から武力攻撃(一定の規模をともなう軍事攻撃)を受けた際にこれに反撃する自衛権」で、これを「国家自衛(National self-defense)」といいます。もうひとつは、「平時などに軍の部隊や艦艇がその活動地域で攻撃を受けた際にその場で反撃する自衛権」で、これを「部隊自衛(unit self-defense)」といいます。

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火器管制レーダー照射事案を起こした韓国海軍駆逐艦「広開土大王(クァンゲト・デワン)」(画像:アメリカ海軍)。

「国家自衛」と「部隊自衛」の分かりやすい違いは、まず国家自衛の場合その行使を命じるのは政府のトップ(大統領や総理大臣)である一方、部隊自衛の場合は現場におけるトップである部隊指揮官や艦長になります。

 また、国家自衛は自国の防衛を目的としているため、反撃のために行使できる武力に関して、その規模や地理的範囲(どこで武力を行使するか)などを必要に応じて広く設定することができます。一方で、部隊自衛の場合はあくまでも現場における部隊や艦艇の防護が目的のため、行使できる武力の規模やその地理的範囲などに大きな制約が課されると考えられています。

 これらを踏まえると、中央日報の報道にある「自衛権」とは、現場海域において生じた脅威に対して現場の指揮官である艦長の権限で行使されるものであり、つまり「部隊自衛」を指しているものと考えられます。

【画像】韓国艦による火器管制レーダ照射事案 海自P-1哨戒機の飛行概要

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