初来日! 108歳の大型帆船「スターツロード・レムクル」の波乱すぎる半生 105歳でバッテリー搭載

艦齢108歳にもなる世界屈指の現役ベテラン船が2022年9月、横浜に寄港します。ドイツ生まれのノルウェー育ち、イギリスに捕らえられたこともある純白の帆船の数奇な半生とは。

第1次大戦前に生まれたノルウェー船、初の来日

 1世紀以上前、帝政時代のドイツで建造され、ノルウェー最大の帆船として活躍している「Statsraad Lehmkuhl(スターツロード・レムクル)」が2022年9月12日から15日にかけて横浜港に寄港します。通常はノルウェー周辺や大西洋で、船員教育やセーリング体験ツアー、クルージング、さらにはノルウェー海軍やオランダ海軍の士官教育などに使用されているため、アジア太平洋地域を航行する機会はなく、日本への寄港は初だとか。船齢100年を超える現役の鋼製帆船を間近で見られる貴重なチャンスが間もなくやってきます。

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ノルウェー帆船「スターツロード・レムクル」(画像:lehmkuhl.no)。

「スターツロード・レムクル」は1914(大正3)年1月に、ドイツ練習船協会の練習帆船として竣工しました。当時の船名はオルデンブルク大公国の君主フリードリヒ・アウグストにちなんだ「Grossherzog Friedrich August(グローシェルツォーク・フリードリッヒ・アウグスト)」。建造ヤードは数多くの大型帆船を手掛けた実績を持つゲーステミュンデ(現ブレーマーハーフェン)の名門造船所ヨハンC.テクレンボルグです。

 全長98m、幅12.6m の船体に3本のマストを備えた「バーク」と呼ばれる船型で、優美な船首楼が外観の特徴となっています。また、帆装だけでなく、近代的な船舶運航の知識を学ぶため、電灯と無線電信機を装備し、機関士の訓練も担うため練習帆船として世界で初めてのディーゼルエンジンも搭載しました。

 商船の船員を養成すべく、当時最新のドイツ造船技術を投入し、良好な航海性能と最新鋭の設備を誇った「フリードリッヒ・アウグスト」でしたが、就航直後に勃発した第1次世界大戦の影響でほとんど航海訓練を行うことは出来ず、ドイツ国内に留まったまま休戦の日を迎えることになります。

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