ポーランド覚悟の戦車大改革! ウクライナは明日のわが身? 米国製M1と韓国製K2二本立て

2022年、ポーランドがアメリカ製と韓国製、2種類の主力戦車を相次いで調達することを決めました。すでにドイツ製の「レオパルト2」戦車も運用しているポーランド、なぜそうまでして戦車の数を増やしているのでしょうか。

国内生産が示す大きなメリットとは

 ポーランドは、かつて旧ソ連が開発したT-72をライセンス生産した経験があるため、一定レベル以上の戦車製造と改修・改造能力を備えているといえるでしょう。そのT-72の生産ノウハウに代えて、K2の生産ノウハウを取得することで、今度はNATO加盟国として、M1やレオパルト2なども含めた西側戦車の技術も合わせて修得しようというわけです。

 なお、一説によると、将来的にポーランドで生産されるK2には独自のアップデートも盛り込まれるようです。同国でライセンス生産する車体は「K2PL」と呼ばれるそうですが、この改良内容は韓国から輸入したK2にも随時反映されるため、おそらくK2PLのノウハウは、韓国側へもフィードバックされることになっているでしょう。

 ポーランドとしてはアメリカのM1のライセンス生産も視野に入れていたようですが、コストや技術面での折り合いから、最終的にK2に白羽の矢が立てられたのは、前述の「K1からK2へと続くM1系列の技術的血筋」が、大きく影響していることは間違いありません。

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M1「エイブラムス」やK2「黒豹」とともにポーランドの戦車戦力の一角を占めることになるドイツ製のレオパルト2A5戦車。同車は全数がドイツから輸入した中古である(画像:ポーランド国防省)。

 ポーランドは、その国土を何度もロシアにより蹂躙、分割、統治されてきた悲惨な過去を有しています。NATOへの加盟も、過去の惨劇を繰り返さないための保証的な意味合いが強いものでした。このような同国の姿勢からすれば、現在のウクライナのような事態が、いつわが身に降りかかるのかという危惧を抱くと同時に、政治も軍事も含めた、よりいっそうの国防への注力は当然といえます。

 その意味で、陸上防衛力の中核となる戦車戦力の整備に関して、「実績と信頼」のアメリカ製戦車M1「エイブラムス」と、自国の戦車生産ノウハウを生かすことができ、かつ独自改良が可能なうえ、前述した「M1系列の技術的血筋」を受け継ぐK2「黒豹」の2本立てで構築しようというのは、至極まっとうな選択なのかもしれません。

【了】

【種類多っ!】将来ポーランドが運用予定の戦車をイッキ見

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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