「陸上自衛隊の輸送船」どんなの? モチーフはアメリカ陸軍の揚陸艦 横浜港で並ぶ可能性も

2022年8月末、防衛省が「令和5年度概算要求の概要」を発表しました。そのなかには陸上自衛隊が運用予定の輸送船舶が2隻盛り込まれていました。ただ、手本となるのはアメリカ陸軍の支援船のよう。どんな船なのか見てみます。

陸軍が自前の船を持つメリット

 自前であれば、いちいち海軍に支援要請を出す必要がなく、なおかつ海軍の運航計画を考慮することなく、自分たちのスケジュール最優先で動かすことが可能になります。また建造に際しても陸軍として使いやすいように独自設計を盛り込むことが可能です。そういった経緯から、アメリカ陸軍は独自に揚陸艇を整備し、横浜ノースドックに配置しているといえるでしょう。

 ラニ―ミード級汎用揚陸艇は海軍艦船と違い、外洋を航行する必要がないため、スピードは遅く航続距離も短いです。しかし、使い勝手は最大限考慮されており、たとえば船首は砂浜などに直接車両をおろすことができるよう、「バウランプ」と呼ばれる揚降式の道板構造であり、戦車なども自走で乗り降りできるようになっています。

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海上自衛隊が保有する輸送挺1号型。基準排水量420トンで、物資など約25トンを運搬することが可能(画像:海上自衛隊)。

 ラニ―ミード級汎用揚陸艇の大きさは、全長約53m、最大幅約12.8m、満載排水量約1100トンです。サイズとしては海上自衛隊の輸送挺1号型(全長約52m、最大幅約8.7m、満載排水量約540トン)よりも大きく、海軍が運用していてもおかしくありませんが、実はラニ―ミード級よりもさらに大きなフランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦というものまで、アメリカ陸軍は運用しています。

 フランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦のサイズは、全長約83m、最大幅約18.28m、満載排水量約4200トンです。こちらは、海上自衛隊が2000年代初頭まで運用していたみうら型輸送艦(全長約98m、最大幅約14m、満載排水量約3200トン)に勝るとも劣らない大きさであり、そのような大型艦を陸軍が独自に運用できるということは、いかにアメリカが兵站(ロジスティクス)を重視しているか物語っているのではないでしょうか。

 ただ近い将来、陸上自衛隊もアメリカ陸軍と同じように、これら支援船舶を運用するようになりそうです。

【横浜港の米陸軍船に乗ってみた!】ラニ―ミード級汎用揚陸艇の艦内ほか

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