海自ひうち型多用途支援艦 どう「多用途」なのか? 護衛艦や潜水艦の活動支える名脇役
海上自衛隊には全国5か所の主要基地に必ず配備している「多用途支援艦」という小型艦があります。この艦は、戦闘用ではありませんが、ほかの艦にはない能力を生かして、縁の下の力持ち的な存在で活動しています。
小兵ながら、能力はマルチ
海上自衛隊は、日本の周辺海域を5つのエリアにわけて、それぞれに「地方隊」という地域別警備部隊を配置しています。地方隊は、各々基地のサイズや役割が違うため、配備艦艇が異なりますが、5つの地方隊すべてに配備されているもののひとつに「多用途支援艦」があります。これは、21世紀に入ってから生まれた比較的新しい艦種で、2002(平成14)年3月に就役した「ひうち」をネームシップに、計5隻建造されました。
このひうち型、自衛艦のなかでも小型の部類に入ります。ひうち型は基準排水量980トン、全長65m、乗員は約40名であり、最大の自衛艦である、いずも型護衛艦の基準排水量1万9500トン、全長248m、乗員約500名と比べると、基準排水量で約20倍もの差があります。
しかし、この小さなひうち型は、いずも型を引っ張ることもできるよう設計されています。すなわち、それは、ひうち型の用途のひとつである、「航行不能になった艦艇のえい(曳)航」です。押すことはできませんが、タグボートのような能力を有しているといえるでしょう。
この自衛艦のえい航以外にも、ひうち型多用途支援艦は文字どおり、さまざまな用途に使用されています。
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