「中国空母」10年 始まりはウクライナの中古 国産新鋭艦「福建」に至るまで 今後どう出る?
スキージャンプ消滅 より大型化した「福建」
最初の空母「遼寧」が北海艦隊に配備されたことから、2隻目の「山東」は南海艦隊の所属とされており、すでに海南島の三亜を拠点に南シナ海などで演習を行っていることが中国国営メディアで報じられています。
そして2隻目の中国産空母となる「福建」では、前出のとおりスキージャンプを廃し、アメリカ海軍のジェラルド・R・フォード級と同様の電磁カタパルトを用いた発艦方式が採られることになりました。
「福建」の満載排水量は8万トンと、これまでの2隻の空母と比べてかなり大きくなっています。目玉装備の電磁カタパルトは3基搭載されており、艦載機にはJ-15に加え、J-35と推定される第五世代の戦闘機や早期警戒機が搭載されると見られています。
中国は海南島などで空母の運用を支える施設の整備を進めていることから、今後は水上艦艇と潜水艦がセットになって、南シナ海周辺で海洋権益確保のための行動をより積極的に実施していく可能性があります。
また、アメリカに対抗可能な戦力を整備することを目指す中国が、国産空母の建造を2隻で終わらせるとは考えにくく、「福建」の2番艦、場合によっては原子力空母が登場することも十分に想定されると言えるでしょう。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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