ジャンボ機の“コブ”の上にもっとデカい“コブ”! 異形すぎる747「ドリーム・リフター」なぜ誕生?

ボーイング747のトレードマークとなっている“コブ”のうえに、さらに大きなコブをつけた異形の貨物機「ドリーム・リフター」があります。この二重コブ飛行機は、なぜ生まれたのでしょうか。

「ドリーム・リフター」が中部に来まくりなワケ

 そのため、ボーイング社はパーツの輸送で「ジャンボ・ジェット」の改造機を用いることに。背中に大きな貨物スペースを設け、787むけの大型パーツを輸送することにしたのです。また機体も、長尺パーツを搭載できるよう、胴体後部が横に折れ曲がるように開く構造が採用されています。

 日本で787のパーツを製造する工場は中部地方に集中しています。中部空港に「ドリーム・リフター」が発着するのは、そこで作られた主翼などのパーツを、同機を用いてアメリカの最終組立工場に空輸するためです。ちなみにこういった関係から、787の初号機は中部空港内の複合施設「フライト・オブ・ドリームズ」で見学可能です。

Large 20220909 01
ボーイング787初号機「ZA001」(乗りものニュース編集部撮影)。

 2006年の「ドリーム・リフター」の初飛行は、機体の改造作業を行った台湾で実施されました。初飛行のフライト時間は約2時間で、担当したテストパイロットは「LCF(ドリーム・リフター)に乗っていることを忘れしまうこともあったほど、うまくいった」といった趣旨のコメントを残しています。

 なお、旅客機の背中を大きく膨らませて、巨大貨物機とするアイデアは、「ドリーム・リフター」が初めてではありません。

 たとえば往年の貨物機であれば、ロケットなどの部品を運ぶためプロペラ旅客機「ボーイング377」をベースに改修が図られた「グッピー」シリーズがあります。また現代であれば、エアバス社が、ヨーロッパ各所で作られた大型の旅客機パーツを輸送する目的で、A300やA330を改造した貨物機「ベルーガ」シリーズを運用しています。

 ちなみにエアバス社、実は「ベルーガ」をデビューさせる前は、前述の「グッピー」を契約して借用し、パーツ輸送に充てていました。そのため一部からは、「エアバスの翼はボーイング製」と揶揄されたエピソードもあったそうです。

【了】

【写真徹底レポ】ドリームリフターの全貌に肉薄&機内にも潜入(21枚)

【特集】珍機、変態機、革新的設計…「普通じゃない飛行機」集めてみた

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス