急坂!激セマ!本数多すぎ!「長崎のバス」 西九州新幹線から乗り換えて日常の絶景へ

名物「バスのだんご状態」 集中ぶりは福岡市以上

 主要道路が限られた市街地に集中する長崎の街では、そこでのバスの集中ぶりにも驚かされます。

 中でも路面電車が通る新浦上街道では、浦上方面・稲佐方面のバスが合流する長崎駅近くの宝町~八千代町間で、長崎バス・長崎県営バス合わせて往復3000本以上が走ります。この区間では路面電車も1日500本以上にのぼり、長崎バイパス川平ICを降りた高速バスも走るほか、12時間交通量も約4万台と、その集中ぶりは長崎県内でもトップクラス。長崎駅前の歩道橋からの定点観測はとても目まぐるしいものです。

 バスの密集区間の付け根にある長崎県営バスの高速バスターミナルは、昔ながらの案内板や発着案内など、“昭和の匂い“をほんのりと残しています。併設されていた「ターミナルうどん」がコロナ禍で閉鎖してしまったのは惜しまれますが、西九州新幹線のライバルでもある博多行き高速バス「九州号」が発着するなど、今もその活気を保っています。ただ、当初予定されていた長崎駅ロータリーへの移転・建て替えは実現せず、58年を経た施設の維持は課題となっています。

 なおJR長崎駅からのバスの乗り継ぎは「長崎駅前」「長崎駅前東口」「長崎駅前南口」「長崎駅前ターミナル」などに分散され、各バス停とも長辺50cmほどの時刻表にぎっしりと数字が書き込まれているので、そこから目的地へのバスを探す難易度はかなり高め。できれば事前にインターネットで検索して、どの乗り場に向かうかをチェックした方が良いでしょう。

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長崎駅前の歩道橋から。この通りをバスは1日3000本以上、路面電車も通過する(宮武和多哉撮影)。

※ ※ ※

 長崎のバスは見晴らしの良い山手の路線や狭隘な旧道を走る路線などに、他の街とはどことなく違った魅力を感じます。しかし長崎市内では長崎バス・長崎県営バスの2者で経由地の7割が重複することもあって、一部地区では再編が進んでいます。

 その中でも徐々に変化していく「さかんまち・長崎」のバス、路線再編で大きな変化が訪れる前に、新幹線に乗って眺めに行くのも良いかもしれません。

【了】

【マジで狭い!!】長崎のバス狭隘&激坂区間ハイライト 写真で見る

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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