戦艦「長門」見に行こうぜ!! 戦前はさながらテーマパークの軍港 地域も潤う観光資源
人気のお土産はやっぱりお菓子 「吉備団子」大ブレイク
土産物の売り上げもバカにならないものでした。旅行から帰ってくると土産物を周囲の人に配る、日本以外にあまり見られないというこの習慣が、地域文化を全国へ伝播するのにひと役買っており、メディアの広告も未発達な時代に、土産物はそれぞれの地域をアピールするのに大きく役立ちました。そして、人に配る土産物といえば、いまも昔も菓子類がポピュラーです。
そうした土産物のひとつが、岡山みやげとして知られる「吉備団子(きびだんご)」です。なお、鬼退治に向かう桃太郎が携行したという「黍団子(きびだんご)」とは別物で、音が同じだけだそうです。今日の形に近い吉備団子が商品化されたのは明治維新以降だそうで、そして土産物として全国にブレイクしたのは鉄道と軍隊が大きく関係しています。
吉備団子が売られている岡山駅は、広島宇品港へ繋がる兵站線の主要駅です。日清、日露戦争で出征していた多くの復員兵が宇品港から鉄道で帰郷し、その途中の岡山駅で購入した吉備団子を地元への土産としたのがブレイクのきっかけとなりました。外敵を鬼となぞらえて、戦地から故郷に凱旋するイメージもひと役買ったようです。
菓子類は海軍も多く買い付けていました。艦艇乗員用ばかりでなく、外国寄港地でのレセプション用の菓子類の需要も大きく、軍港周辺には菓子を納入する業者が多かったのです。鎮守府観光でも土産物は菓子類がポピュラーで、軍艦煎餅、軍港饅頭などがあり、呉には海兵団にかけた「海兵団子」(団子)、巡洋艦にかけた「巡洋羹」(羊羹)などユニークなネーミングのものもあって、最近、一部でリバイバルしているようです。
ちなみに有名な「間宮羊羹」は海軍部内用で、当時、民間には出回らず土産物として売られることもありませんでした。2022年現在は呉の土産物として販売されています。
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