戦艦「大和」「武蔵」より早い 史上初46cm砲搭載艦を生んだイギリス海軍 結局使ったの?

旧日本海軍が使った世界最大の戦艦、大和型の目玉ともいえる装備に46cm砲があります。この強大な艦砲を世界で最初に造ったのはイギリス海軍でした。その目的と顛末、それに触発されたアメリカの動きを見てみます。

イギリスに触発された日米両国、その結果は?

 これらイギリス海軍の18インチ砲は他国に影響を与えました。アメリカ海軍は1917(大正6)年に2タイプの18インチ砲を試作しました。イギリスと同盟国だった日本においても、旧日本海軍が18インチ砲の研究に着手しています。

 ところが1922(大正11)年のワシントン軍縮条約で、日本における18インチ砲の開発はいったん停止します。再開したのは1935(昭和10)年に日本がロンドン軍縮条約を脱退したのが契機でした。結果、日本は軍縮条約の制限を受けない大和型戦艦に46cm砲を採用します。

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アメリカ本土ダルグレン試射場の18インチ砲。アメリカ海軍はいったん16インチに改造後、再び18インチ砲に戻して試射を行った(画像:アメリカ海軍)。

 一方、アメリカ海軍は新たに建造を計画した一連の戦艦に18インチ砲の搭載を計画したものの、仮に搭載した場合、戦艦の全幅が広がってしまい、パナマ運河が通過できなくなるため、その制限の問題から採用を見送りました。それでもアメリカ海軍は18インチ砲の研究を続けます。

 アメリカ海軍は、試作の18インチ砲に手を加え、太平洋戦争開戦後の1942(昭和17)年から終戦後の1945(昭和20)年8月24日まで、ジョージア州ダルグレン試射場で18インチ砲を使って装甲の貫通力と各種徹甲弾をテストしています。あわせてアイオワ級などに採用された16インチ(40.6cm)砲マーク7の検証も行っています。ただ、その後、戦艦の新造が計画されなかったため、アメリカ艦で18インチ砲を搭載したものは登場することはありませんでした。

 なお、18インチ砲の元祖イギリス海軍は、第1次世界大戦後に16インチ砲を採用しています。しかし、ロンドン軍縮条約失効後に建造したキング・ジョージ5世級戦艦は14インチ4連装砲塔を採用し、その後誕生したイギリス最後の戦艦「ヴァンガード」も、冒頭に記したカレイジュアス級巡洋戦艦が搭載していた15インチ砲を転用・搭載したため、18インチ砲に戻ることはありませんでした。

【了】

【写真】日本が開発した46cm砲 大和型戦艦ほか

Writer:

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

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