ポンコツT-62 ウクライナでロシア軍どう使うつもりか 「んな無茶な!」とも言い切れない?

旧式戦車T-62の使い方は?

 そうなると、復帰したT-62は、ウクライナ軍が装備する同じロシア(旧ソ連も含む)製の新型戦車や、肩撃ち式対戦車ミサイル「ジャベリン」に代表される西側の最新式対戦車兵器と戦わねばならず、これは圧倒的に不利な状況といえます。特に、待ち受けている敵と対峙することになる「攻める戦車」としての運用は、「どこから」「何で」攻撃されるかが事前にはわからず、しかも戦場を「全身丸見え」の状態で動き回らなければならないため、旧式戦車にとっては危険すぎます。

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1991年の湾岸戦争にて、ダックイン状態で撃破されたイラク軍の中国製69式戦車(画像:アメリカ空軍)。

 しかし逆に、敵の「攻める戦車」を待ち受けて迎え撃つ「守る戦車」として運用するなら、車体を窪地などに隠し砲だけを出していたり(いわゆる「ダックイン」)、遮蔽壁に隠れて進撃してくる敵戦車を狙い撃ったりする戦い方であれば、脆弱な防御力を補いつつ戦うことが可能なので、旧式なT-62でも、ある程度は戦力として通用するでしょう。

 再整備されたT-62の配備の進捗具合を鑑みると、戦況的に最新型の戦車が多数損耗した時期とたまたま重なったのかも知れませんが、ロシア軍が後退しつつあり、季節も冬に向かう時期に増えているように見受けられます。

 積雪を迎えた酷寒の戦場では、「生身の人間」である将兵は寒さをしのぐため陣地にこもりますが、特に守勢に回った側は、それらの陣地を拠点に戦い続けることになります。そこで、T-62をこの防戦でメインに使おうとするなら、旧式という弱点を前述したような形で補いつつ上手く運用すれば、「守る戦車」としてそこそこ戦えるのではないでしょうか。T-62Mなら、その備砲の115mm砲から通常の砲弾に加えて9M117「バスティオン」対戦車ミサイルも発射できるので、防戦には向いているといえそうです。

【攻めに使っちゃダメ?】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたロシア軍のT-62戦車ほか

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コメント

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2件のコメント

  1. ロシア軍を応援しているようだが、その真意は如何に?

  2. 旧ソ連でいえばカテゴリーGか3に当たる兵器で、動員までに3か月ぐらいはかかるし、運用する人員も基本的に予備役、後備役。
    ソ連の作戦だと占領地域には新鋭の部隊はおかないで前進あるのみだから、任務もおのずとこういう兵器でこなせることになるのでは?