「センスがないと伝えなければいけない時もある」バス運転手のリアル 就職イベントで見えた“やりがい”

人気の差が生まれる背景

 バス業界は、ごく一部の大手事業者と、それ以外のほとんどを占める中小・零細事業者によって構成されている――そう聞くと、ブースの規模や、ブースごとの人気の差がわかる気がしました。働く側から見ると、会社の規模は安定性の面で重要な基準の一つです。日頃の安全運行の態勢や、従業員の待遇にも大きな差がありそうです。

 このイベントの出展者を見ると、100台単位の営業所を何か所も構える、大手の事業者が中心です。なかには、あまり名は知られていないものの、実は世界的な自動車メーカーやその協力企業の工場の従業員送迎バスを手広く請け負っている、といった貸切バス事業者も見られました。

「センスがないと伝えないといけない時もあります」

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会場の様子。

 リッツMCの中嶋美恵社長が、入社試験対策を披露するコーナーでは、筆記試験、実技試験の傾向や、面接の対策を説明。「スーツを着て面接を受け、同日に実技試験もある場合、革靴からドライビングシューズに履き替えてもよいか」「複数の会社に同時に応募してもよいか」といった質問が多いといい、丁寧に解説していました。

 さらに、乗務員によるトークセッションもありました。大阪、名古屋とも、進行役は「どらなび」のサービス全体を監修している、高速バスマーケティング研究所の成定竜一代表が努めました。

 大阪の会場では、エムケイ観光バスの辻智史さんと、西日本JRバスの小林郁人さんが登壇。ベテランの辻さんには、「指導役として、新人の運転技術がいま一つと感じた場合どうするか?」と質問が飛びました。「理屈を説明し、クルマの物理的な動きを理解してもらえば、だいたい上達します。どうしても上達しない人には、厳しいですが、センスがないと伝えないといけない時もあります」とのこと。

 若手の小林さんは、「ハンドルやブレーキの操作、対向車の確認の仕方一つとっても、一生かけて取り組めるテーマ。毎日同じ作業に見えても、自分の成長を実感できます」と、参加者に呼びかけました。

【グラフ】バス運転手の「所得」「労働時間」

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