エアバス=「空飛ぶバス」なぜメーカー名に 50年前の大逆転劇の第一歩 始まりは“コンコルドの失敗”?

ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社は、なぜ米ボーイング社とシェアを二分するまでに、大きく成長したのでしょうか。同社初の旅客機A300が初飛行して半世紀、この機が生み出された背景には、エアバスの社運を駆けた賭けがありました。

なぜエアバスは国家間をまたぐプロジェットとなったのか

 草創期のジェット旅客機は、おもに長距離国際線を担当していました。その後1960年代には、それにつぐ次世代機として、近距離向けのジェット旅客機が次々に生み出されます。代表的なものは、アメリカのボーイング727、737やダグラスDC-9など。こうした旅客機はヨーロッパでも開発され、イギリスのホーカー・シドレー「トライデント」、フランスの「シュド・カラベル」、そしてダッソーの「メルキュール」などが開発されました。ただ、これらはアメリカのモデルほどのメガヒットは記録しませんでした。

 その後、世界では機体の大型化がトレンドになり、これがいわゆる「エアバス」と呼ばれるカテゴリのモデルになります。「ジャンボ・ジェット」と呼ばれたボーイング747を筆頭に、DC-10、ロッキードL-1011「トライスター」などが該当します。しかし、これらの旅客機はアメリカ製ばかりで、ヨーロッパ単独の国に属するメーカーでは、開発能力の大きな要素を占める資金が足りませんでした。振り返れば、ECというヨーロッパ共同体が成立したのもこの頃です。

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英仏共同開発「コンコルド」(松 稔生撮影)。

 一方ほぼ同時期には、超音速旅客機の開発もトレンドに。イギリスとフランスは協力して、アメリカに対抗し「コンコルド」を開発しました。ヨーロッパ各国の国力の関係から、一社、一国ではジェット旅客機を開発する力がなかったことから、2国共同となりましたが、結局超音速旅客機の時代がやってくることはなく、商品としては失敗に終わりました。

 ただ、こうした背景から、「コンコルド」のように国家間の共同開発で新たなジェット旅客機を生み出す道が見出されました。そこから、国家間がタッグを組んだ旅客機メーカー、エアバス・インダストリー社の発展へとつながります。

 エアバス・インダストリー社は、最初の作品であり、かつ欧州製初の「エアバス」系旅客機であるA300の開発に社運をかけていました。これには筆者(種山雅夫、元航空科学博物館展示部長 学芸員)の推察も含まれるのですが、世界初の双発複通路旅客機として生み出されたA300は、先述したフランスのダッソー社の「メルキュール」の大型版といえるようなモデルだったように思われます。

【写真】超コンパクトな「コンコルド」機内&A300そっくり?なレア機「メルキュール」

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