盛況な寝台特急「サンライズ」後継車両はまだか “儲かる列車”に変えるための提言

「サンライズ」をワークスペースとして開放できないか

 また、「シングル」平屋部分をB個室寝台「シングルツイン」に変更すれば、5室が設置可能です。結果として中間車なら定員56名となり、かつての3段式B寝台車を上回る定員にできます。

 電動車も平屋を活かして、「ノビノビ座席」から2人用A個室寝台を設置することを考えます。2人用B個室寝台「サンライズツイン」は人気で、需要の取りこぼしがあるからです。加えて「シングルデラックス」「サンライズツイン」も車体延長により1室ずつ増やせそうです。「シングルデラックス」は補助ベッドでの2人利用を可能にできれば、定員が14→24名に増加します。平屋で天井が高い「シングル」は全て「シングルツイン」に改めます。

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東海道新幹線の喫煙ルームを改造した「ビジネスブース」のイメージ(画像:JR東海)。

 こうしたことを積み上げれば、編成定員は158→206名程度(「シングル」3両、「ノビノビ座席を個室化」1両の場合)と1.3倍に増加すると考えられます。もちろん、人気の高い設備の料金を値上げする方法もあるでしょう。

 運用方法に目を向ければ、空室があった場合は「東京~熱海」「岡山~出雲市」「岡山~高松」などで、「寝られる(横になれる)通勤ライナー」として販売することも考えられます。これにより常時満席の状態を実現できるかもしれません。

 コロナ禍以降、利用が減った特急形車両を有効活用すべく、駅に停車した状態で有料ワークスペースとして開放する取り組みが行われています。「昼間、車庫で眠っているサンライズ」も、個室という特性を活かしワークスペースとして販売してもよさそうです。

「サンライズ」は仮に新型車両を投入しても、「日本で唯一の寝台特急」であり続けるでしょう。その希少性は注目度に直結しますから、様々な収益性改善の方策を考え、存続の道を探ってほしいものです。

【了】

【写真】ノビノビ座席~唯一のA個室寝台まで 「サンライズ」の全寝台をイッキ見

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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6件のコメント

  1. 「サンライズ廃止反対!」って叫ぶ人たちってさ、年に『 何回 』乗車してんの? 
    いつか乗りたいから~とか言ってる人もいるが、そんなのばっかりだからブルトレはガラガラだったんだがね
    自分は大して努力しないで、他力本願で存続を求めるって「過疎路線の廃止に反対する沿線住民」とまったく同じでしょ

  2. 単純に一回乗車で¥50,000以上取らないと儲からないな。それに、ノビノビ座席の件は、もう1両のM車が「ソロ」なのだから、ごちゃごちゃ言わずに、増収ならばソロ化したらいい😉

  3. 収益性向上のために一番大切なのは定員増えていくと思う。三段寝台復活など。

  4. 寝台列車が昼間走ってくれれば、個室で寝て帰ったりしたいけどね。
    需要は夜だけじゃないよ。

  5. なぜ行き先が微妙なとこなのか気になる。福岡とかは需要ないのか?

  6. 車両限界&建築限界で無理でしょう。そんな大型車両走らせたら駅のプラットホームに車両が擦れるわ、下手したら路線の架線柱をへし折って大惨事になりますよ。