道路幅員「2.25m制限」細かすぎ? そこまで狭くない道でも 不可解な数字のワケは
住宅地にある道路標識で、「最大幅2.25m制限」というものがありました。制限幅にしてはやけに細かい数字。しかも道路はそこそこの幅があります。なぜこのような制限がされているのでしょうか。
住宅地に設置された車幅制限標識
道路標識の中で、車両の通行できる「最大幅」を示すものがあります。これは警察が設置する規制標識で、示された最大幅を超える車両は通行することができません。
ところで、この最大幅、場所によっては「2.25m」「1.75m」など、やけに細かく中途半端な数字が書いてある場合があります。
狭い道を5ナンバー車までが通れる「1.7m制限」としている例などはありますが、「2.25m制限」のある川崎市内のとある住宅地の場合、そこまで異様に狭い道幅ではありません。なぜこのような数字が設定されたのでしょうか。
標識を設置・管理する市の警察署に問い合わせたところ、「車両制限令による数式に基づく計算結果をそのまま当てはめたため、このような数字になっています」とのことでした。
「最大幅」の根拠法令は道路法第47条(道路交通法ではない)に基づく「車両制限令」における規定です。
この中で「最大幅」の計算式として、一方通行もしくは交通量が少ない道路は「車道の幅員-0.5m」とされています。山間部の細い道や“酷道”でよく見られるのがこのパターンです。
いっぽう、それ以外の場合、つまり一方通行ではない場合の数式もあり、それは「車道の幅員-0.5mの、さらに半分」とされています。しかも、この車道幅員には路肩は含まれていません。
この「0.5」と「2で割る」という計算により、小数点以下第2位までの数字が出てくるわけです。例えば車道幅員が5mなら、(5.0-0.5)÷2=2.25となります。
この数式のため、一方通行でない住宅地などでは、「最大幅」で示された数字と比べ、実際の道路幅は2倍以上になっているというわけです。これは、住宅地内にサイズの大きい車両が進入し、すれ違いに支障をきたして地域生活に危険や不便を生じないためとされています。
そもそも「車両制限令」は道路一般に当てはめられる規則です。よって「最大幅」の標識は、「この地点は駐車禁止です!」のようにピンポイントで設定される規制をあらわすのではなく、一般的に決められた通行制限の数値を「きちんと参考にしてください」と掲出している存在なのです。
それゆえ標識の数字も勝手に「四捨五入」するわけにもいかず、先述の「2.25m制限標識」が生まれたということです。普段の生活であまり見ないのは、そもそも住宅地など、一方通行の細道以外の場所に立てられるというケースが少ないからかもしれません。
【了】
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