ロボットは「中の人の分身」になれるのか? 賞金総額14億超の超先端ロボットレース ANAが後ろ盾になったワケ

ミッションは実は高難易度? ANAが後援した理由とは

 このコンテストの内容を、アバターロボットがクリアするには、さまざまな能力が求められます。

 ドライバーの操作などは、たとえば不慣れなロボットの操作者(チーム外の人が担当)がドライバーのトリガーを引くことができる適切な位置にロボットの手を配置し、ネジの穴にドライバーを埋め込む……といった細かな作業を可能とする操作性の良さが要求されるほか、ロボット自体の手の設計にも、人間でもある程度力を要するトリガーを、電動で引けるようなパワーを出すことが求められます。そのような状況であることから、今回出場した先進的なロボットでも、25分以内にすべてのミッションをクリアした出場者は数組でした。

 優勝したのは、ドイツの「NimbRo」チーム。これらのミッションをわずか5分50秒でクリアしています。ほかにミッション完遂したチームは、10分以上を要するなか、圧倒的なラップタイムを記録しました。

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「ANAアバターXプライズ」最終決戦の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 ANAグループではこれまで、未来を見据えた非航空事業の一環として、アバターロボットの開発を推進してきました。2020年4月には社内のアバター準備室を発展させるかたちで、同社初のスタートアップ企業「avatarin(アバターイン)」を設立。世界総人口の9割以上を占める、「航空機を利用したことがない人」などに対し、アバターロボットを生身の体を用いない”新たな移動手段”として提供し、さまざまな社会解決を目指すといった目的があるとのことです。

 一見、航空事業とは無関係に見える、今回の「ANAアバターXプライズ」の後援も、こうした取り組みを進めるANAグループがXPRIZE財団に賛同したものとしています。

「アバターロボットの操作はそれぞれの状況を見て動くのが特徴で、初めての内容が多く、そういった意味では、今回のコンテストは、チャレンジングな取り組みです。アバター操作者を作り手以外が担当するのは、世界で初めての取り組みかもしれません。非常にリアリティのある、実践的なシナリオだったと思います」。アバターインの深堀 昂CEOは、次のようにコメントしています。

【了】

【写真】人間度高くない? 日本発「アバターロボット」のびっくりルックスなど

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