「レゴブロックで作られたスタジアム」? カタールW杯会場のビックリ資材とは 残さないレガシー
カタールで開催されるサッカーワールドカップ会場のひとつに、「レゴブロックで作られた」ともいわれるスタジアムがあります。もちろん資材はレゴブロックではありませんが、およそ建築資材とは無縁のもの。終われば完全に解体されます。
終われば跡形もなくなるスタジアム
大型貨物船などに積まれる規格化された輸送コンテナは、1956年にアメリカで開発されて以降、急速に普及。陸上をいくトラックから荷物を積み替えることなく、コンテナをそのまま船に載せて運べることから、世界中をコンテナ船が行き交っています。そんなコンテナですが、2022年11月20日からカタールで開催されるサッカーワールドカップでは、だいぶ違う使い方がなされています。
カタールにおけるワールドカップ会場の一つであり、ドーハ港の海沿いに位置する「スタジアム974」は、輸送コンテナを主な建築資材として建設されました。最大で4万人を収容可能な7階建ての巨大なスタジアムですが、コンテナがきれいに組み合わさってできているので「レゴブロックで作られたスタジアム」などと言われることも。
名称の「974」には二つの由来があります。ひとつは、974個のコンテナを使ってスタジアムが建設されたこと、もうひとつは、国際電話におけるカタールの国番号974にちなみます。
ワールドカップが終わったらスタジアムは完全に解体され、建築資材はコンテナに詰め込まれ他の場所へ輸送、別の建築資材として活用されることになります。これはワールドカップ史上初の試みとのこと。
「この革新的な会場は、今後の大規模イベント会場の流れを変える存在になると考えています。そして、ワールドカップによってもたらされる力強いレガシーの新たな事例ともなります」
2021年の竣工時、カタール大会の最高委員会(Supreme Committee for Delivery & Legacyの)H.E.ハッサン・アル・タワディ事務局長はこうコメントを寄せています。サステナビリティの時代、形を残さないことこそが、ひとつの“レガシー”となるのかもしれません。
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