「ETC2.0割引」23年度も継続へ 事業者は組み合わせで“破格の安さ”に 一般には恩恵なし?

予算を示さない事項要求を前倒しで

 ETC2.0割引は、2013年から始まりました。毎年、来年度予算の概算要求で示され、前倒しで補正予算に盛り込まれる形で、約10年継続されています。

 今回は2023年3月末日までが期限でしたが、第2次補正予算案に盛り込まれたことで1年延長され、2024年3月末日まで続くことになります。

 今回のETC2.0割引は、来年度予算で要求額を明示しない「事項要求」として示され、予算額が確定しました。72億円は2021年度と同額。道路局は「前年踏襲」と話します。

 一方、ETC2.0は乗用車などでは、あまり普及していません。2.0を普及させるのであれば、事業者に限定する必要はあるのでしょうか。

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国土交通省(中島みなみ撮影)。

 国交省道路局は2.0を普及促進することで、「交通・物流・インフラ整備におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の促進を図る」と説明します。

 高速道路料金は、通行料金収入の総額が建設費と維持管理費の総額と等しくなるように設定されています。ETC2.0割引は、今回の予算案でわかる通り、割引分は税収で補填されました。

 インフラを支える物流を守ることは大切です。物流関係車両など高速道路のヘビーユーザーに還元することも必要です。一方で割引に頼ることなく、シンプルな料金体系で需要増を目指すことは、もっと大切なのではないでしょうか。複雑な割引が実態を見えなくしています。

【了】

【結局ETC2.0は何がメリット? 画像で見る】

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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1件のコメント

  1. この割引を拡充してもいいから、中型以上の深夜割引廃止したら、東名の0時渋滞も解消するのだが。