給油口にすぽっ ガソリンのノズルに“黒いカバー”増加中 何のため?

カバーつければいいってわけじゃない

 給油時におけるベーパーの環境への影響は、昭和の時代に光化学スモッグが問題視されていたことから指摘されるようになったもの。ただ、その頃は工場や自動車の排ガス、塗料などの対策が優先されていたため、ようやく近年になってから国もガソリンスタンドへの対策に力を入れるようになったといいます。

 その具体策の一つが、ベーパーを回収し、液体のガソリンへ戻す機能が付いた計量器への更新なのだそうです。

「自動車1台当たりの回収量は微々たるものですが、ガソリンが無駄に気化していくのを抑えることができます。1年積み上げると、1事業所でドラム缶30本分くらいになるという試算もあります」(東京都環境局)

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ベーパー回収機能付き計量器では、給油口全体がすっぽり覆われる(画像:東京都環境局)。

 ただ、ベーパー回収機能付き計量器は、ただノズルにカバーがついているだけではなく、「ガソリンを吸い取り、冷やして、液体のガソリンに戻す機器が必要になるので、計量器そのものが入れ替えになる」のだそう。都では、その差額分を補助しています。

 この取り組みは、環境一辺倒というわけではなく、ガソリンスタンドへの支援の意味合いもあるそうです。給油量の減少などを背景に、ガソリンスタンドの数は減り続けていますが、東京都環境局は「災害時における重要なインフラとして、絶対になくしてはいけない存在」だと話しました。

【了】

【怖っ!】実は給油中に漏れまくっている気化ガソリン(画像)

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コメント

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2件のコメント

  1. てっきりセルフ給油が普及したから、自動ストップ後の追い足し給油でこぼすのを防ぐ(ノズルが見えなくて追い足しができない)ためかと思ってた。

  2. あれって製油所に戻る(タンクローリーが回収する)んじゃないのか