海自「まや」「はぐろ」が臨んだ「はじめて」づくし 弾道ミサイル防衛試験の重要成果

海自護衛艦「まや」「はぐろ」が、弾道ミサイル防衛に関する試験に成功しました。今後の日本のミサイル防衛を占う上で、かなり重要なものです。「はじめて」づくしだったという、その試験内容について解説します。

試験されたさまざまな「はじめて」

 まず、日米で共同開発された新型の対弾道ミサイル用迎撃ミサイル「SM-3ブロックII A」が今回、初めて海上自衛隊のイージス艦から発射されました。2隻のうち「まや」が発射したこのミサイルは、現在、日本が配備している迎撃ミサイルの「SM-3ブロックI A/B」と比べ、射程や高度が約2倍(射程約2000km、高度約1000km)と大幅に性能が向上しており、さらにさまざまな工夫により命中精度も高められています。

 次に、海上自衛隊のイージス艦としては初めて、弾道ミサイルと巡航ミサイルを模擬した標的にそれぞれ同時に対処し、これを撃墜することに成功しました。これを行ったのは「はぐろ」で、短距離弾道ミサイルを模擬した標的に対して「SM-3ブロックI B」を、巡航ミサイル(エンジンを搭載して低高度を飛翔するミサイル)を模擬した標的「BQM-177A」に対して「SM-2ブロックIII B」をそれぞれ発射しました。

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弾道ミサイルと巡航ミサイルへの同時対処試験に臨む海自護衛艦「はぐろ」(画像:海上自衛隊)。

 この「はぐろ」が成功した試験には、実は従来のイージス艦の弱点を克服するという、非常に重要な意味があります。

 これまで、いくらイージス艦といえども小型かつ高速で飛翔する弾道ミサイルに対処するためには、レーダーや情報処理装置の能力を全て注ぎこむ必要があったため、周辺の警戒がおろそかになってしまうという課題がありました。そのため、弾道ミサイルに対処するイージス艦を護衛するための艦艇として、海上自衛隊ではあきづき型護衛艦を運用しています。

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海上自衛隊あきづき型護衛艦「あきづき」(画像:海上自衛隊)。

 そこで、イージス艦が単艦で弾道ミサイルに対処しながら周辺の防空も行える能力、これを「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」能力といい、その各艦への付与が図られてきたのです。

 現在、海上自衛隊のイージス艦でこのIAMD能力を持っているのは、「あたご」「あしがら」「まや」「はぐろ」の4隻で、今回「はぐろ」が初めて実際の迎撃試験でこれを実証したことになります。

【写真】統合防空ミサイル防衛能力を付与されたあたご型、まや型の4隻をもっと見る

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