宇宙戦メインの『ガンダム』に潜水艦って必要? 宇宙国家ジオンが水陸両用兵器を欲したワケ

コロニー落としするなら核兵器使用もためらわない!?

 加えて「優性種が優先されるべき」とザビ家が考えていたことを鑑みても、地球に住む住人たちは「恐怖で支配しても構わない存在」だと捉えていたのではないでしょうか。「どう地球を統治するか」の構想は開戦前でしょうから、ガンダム世界の架空の条約、核・生物化学兵器を禁止した南極条約は想定していません。

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妹の方が細かいことを考えそうです。(イラストレーター:亜狼)。

 つまり、反乱を起こさないための抑止力として、所在を発見しにくい水中用兵器に核兵器を搭載し、制海権を掌握。反乱を起こした都市は核兵器で制圧するという戦略を立てたのではないかと筆者は見立てています。

 ちなみに、ジオンは「コロニー落とし」などという戦術で、いとも簡単にスペースコロニーを落下させられるのですから、核兵器の使用をためらうことなどないでしょう。

 そのためには、大型の原子力潜水艦にモビルスーツを搭載して、世界のどこにでも核攻撃できるという運用体系が必要ということです。

 なお、ジオンの潜水艦と水中用兵器については「連邦が降伏しなかったので、地球降下作戦が必要となり、急遽開発した。キャリフォルニア(カリフォルニアのことを、宇宙世紀ではこう呼びます)ベースを制圧したさいに、潜水艦は幸運にも鹵獲(ろかく)した」という設定はあります。しかし、この地球降下作戦開始は宇宙世紀0079年3月1日です。

 一方、南極条約が締結されて「連邦は降伏しないから、地球降下作戦が必要」と判明したのは、同年1月31日です。初めての水中用量産型モビルスーツ「ゴッグ」の生産は0079年3月から始まっているようです。ということは、1か月で水中用兵器の方針を立て、開発し、生産に移行したことになります。その1か月以内に「水中用ザク」の開発、試験を行い、「ゴッグ」などの開発に役立てている、というハナシでもあるわけです。無計画に実現できるとは思えません。

 宇宙世紀の兵器開発速度は異常に早いですが、ジオンでも「ザクI」の開発は0075年、「ザクII」の試作機登場は0077年です。それを基にすると、わずか1か月で水中用MSを設計から試験、量産に移行したとは、さすがに考えられないことです。

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