宇宙戦メインの『ガンダム』に潜水艦って必要? 宇宙国家ジオンが水陸両用兵器を欲したワケ

人気アニメ『機動戦士ガンダム』では「ゴッグ」「ズゴック」「アッガイ」といった水陸両用MSだけでなく、水中戦用MA「グラブロ」、さらには潜水艦まで登場します。ジオンは宇宙国家なのに、なぜ水中兵器を開発したのでしょうか。

第2次大戦中のアメリカやドイツに前例が

 また国威高揚など、権力者の思惑でも、兵器開発が行われることがあります。太平洋戦争中に、アメリカのルーズベルト大統領は、1941(昭和16)年に空母「ホーネット」が就役した後、1944(昭和19)年の「エセックス」(予定より竣工が早まっています)まで、空母の就役予定がないことに不満を抱き、嫌がる海軍に「建造中の巡洋艦を軽空母にする」提案をします。結果、海軍は大統領の強い意向を無視できず、インディペンデンス級軽空母を開発しています。

 さらにルーズベルト大統領は「エセックス級で十分」というアメリカ海軍に「装甲空母4隻を建造しろ」と要求し、こちらも結局、ミッドウェー級装甲空母という形で実現しています。

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連邦開発のはずなのに、ジオンの精神を形にしたような潜水艦がありますね。(イラストレーター:亜狼)。

 同時期のドイツも「ソ連は必ず超重戦車を開発する」という独裁者ヒトラーの思い込みで、実用性のない超重戦車「マウス」を開発したりしていますし、大型戦闘艦が活躍しないことで、正規空母「グラーフ・ツェッペリン」の建造を中止させたり、はたまた艤装を再開したりと、兵器開発に自分の意向を強く反映させていました。

 それらを鑑みると、「機動戦士ガンダム」の敵側陣営であるジオン公国は、独裁者ギレン・ザビを始めとするザビ家に支配されており、彼らの意向が兵器開発に強く影響したことは間違いありません。

 では、なぜ「宇宙戦で戦争を終わらせるつもりだったのに、水中用兵器が必要」となったのでしょうか。筆者は「地球連邦が降伏した後の地球統治」を見据えての兵器開発だったのではと想像します。

 ザビ家は、劇中でも戦争終了後を見据えた行動を取っています。「ザビ家が地球側の有力者であるエッシェンバッハ家に近づき、その令嬢イセリナと、ガルマ・ザビが恋仲になる」などは、本人同士の恋愛感情もあるでしょうけど、ザビ家のような名家の行動原理として「地球の有力者と結びついて、間接統治する」ことを見据えたからだと考えます。

 ジオンの国力は連邦の30分の1以下で、人口でも大きく劣ります(諸説あります)。少数で地球を統治することの難しさも想定していたはずです。

【きっとジオンも用意していたハズ】潜水艦運用するなら必須の深海救難艇

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