ついに発売「原付を合法的に『自転車』にする装置」 国内唯一 ある意味“公道最強”な使い勝手

原理は簡単でも、なかなか真似できない仕組み

 モビチェンは、法律上「原付」に区分された車両を、運転者の意思で「自転車」に切り替えられるようになる、いわば“合法化アイテム”です。課税標識(ナンバープレート)を覆う折りたたみ式のカバーを引き上げ、自転車のピクトグラムを出せば、道路交通法上で「自転車」として運転することが可能になります。

 原付を含む自動車が通行できない一方通行や、自転車専用レーンを走ることが可能。駐輪場を利用することができるので、駅や繁華街でも駐車場所に困りません。

 モビチェンは「原付」を「自転車」として切り替えたことを示す表示装置なので、その原理は単純です。しかし、道交法は装置に対して、自転車モードで完全に動力が切断されること、停車状態でしか切り替えられないことなど、細かな規定があります。プレートを覆うブラインドを下から上へ持ち上げる方式にしたのも、適合させるための工夫のひとつ。原付で走っていたのに、知らない間に自転車になっているという可能性をゼロにするためにです。そのため手持ちのモペットを改造して切替装置を作ることはかなり難しく、現状で認められた装置は、グラフィットのモビチェンだけです。

 GFR-02は最高速度30km/h、約3時間のフル充電で約34kmの走行性能を備えています。道路運送車両法の車種区分は「原付」です。走行モードがペダルの人力で進む自転車モード、20km/h前後で航続距離を延ばすエコモード、フルパワーモードの3種類を選択できますが、モビチェンで「自転車」にすると、強制的に灯火類だけ使える自転車モードへ切り替わります。

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GFR-02は27万5000円、モビチェンは2万7500円+取付費用が必要。いずれも税込(中島みなみ撮影)。

 車体の購入は同社のオンラインショップや取扱店で。市区町村に届出をすませて課税標識を取得した後、課税標識のあるGFR-02をリアル取扱店に持ち込み、モビチェンを装備する手続きが必要です。

「GFR-02本体はオンラインでは約2か月でお手元に。リアルショップでは在庫のある限りすぐにご購入いただけます。モビチェンは取扱店で予約下さい。取付時間は30分ほどです」とグラフィット担当者は話します。購入には少し時間が必要ですが、その時間が待ち遠しくなる革新的なハイブリッドバイクであることはまちがいありません。

【了】

【ちょっとコツが必要?】ナンバープレート隠す「モビチェン」の操作(写真ギャラリー

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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