相模湾の国際観艦式は造船業界の縮図? 最大艦は韓国製 勢いに乗る中国… 艦艇輸出の今

2022年11月6日に相模湾で行われた海上自衛隊の国際観艦式では、諸外国から18隻の外国艦が参加しました。ただ、それらを設計・建造国ごとに括ってみると、意外な一面を見ることができました。

オーストラリアはスペイン設計艦がともに来日

 オーストラリアはスペインの造船会社ナバンティアとの関係が深く、国際観艦式に参加した同国海軍の補給艦「スタルワート」(1万9500トン)、駆逐艦「ホバート」(7000トン)ともに、同社が設計に携わっています。

「スタルワート」は、スペイン海軍向けの補給艦「カンタブリア」をベースとしたサプライ級補給艦の2番艦としてナバンティアが建造し、2021年に就役しました。洋上での補給や、国内外の人道支援活動や災害救援活動にも従事することができます。

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海上自衛隊横須賀地方総監部の桟橋に並ぶオーストラリアやニュージーランド、インドの軍艦(深水千翔撮影)。

 イージスシステムを搭載した駆逐艦「ホバート」(7000トン)は、スペイン海軍のアルバロ・デ・バサン級フリゲートをベースにしています。海上自衛隊のこんごう型護衛艦や、アメリカ海軍のアーレイバーク級駆逐艦とは異なり、SPY-1D多機能レーダーが艦橋の上に配置されているため、ナバンティア設計艦ならではの独特の雰囲気を持っています。

 ただ、船体の建造はオーストラリア企業で構成されるコンソーシアムが担っており、「ホバート」と姉妹艦2隻の計3隻すべて建造はオーストラリア国内で行われました。

 複数の国や企業の思惑が絡む艦艇のプロジェクトでは、意思疎通が上手くいかなったり、現地造船所との間で技術力に差がありすぎたり、そもそも計画に無理があったりと、さまざまな事態が発生します。実際、駆逐艦「ホバート」の建造ではトラブルが続き、引き渡しが大幅に遅れました。

 このように国際観艦式で祝賀航行する艦艇1隻1隻に、建造に至るまでの背景があり、そこには国同士の関係性も垣間見えます。次の観艦式ではどのような外国艦がやってくるのでしょうか。今から楽しみです。

【了】

【写真】海上自衛隊の国際観艦式に参加した各国軍艦をイッキ見!

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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