相模湾の国際観艦式は造船業界の縮図? 最大艦は韓国製 勢いに乗る中国… 艦艇輸出の今

東南アジア勢に強いドイツ艦

 中国は、パキスタンと戦闘機「JF17」を共同開発したり、潜水艦を輸出したりするなど軍事的な連携を強めています。なお、パキスタンは最近、ズルフィクア級より大型となる4200トン級のフリゲート艦として、滬東中華造船に江凱II型(054A型)の派生型054AP型を発注しており、2022年に1番艦「トゥグリル」と2番艦「タイムール」が竣工しています。

 中国はマレーシアやタイ、モーリシャス、バングラデシュといった国々にも艦艇の輸出を行っているため、数年後は中国製の軍艦がアジアを席巻しているかもしれません。

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パキスタン海軍のフリゲート「シャムシール」(右手前)と補給艦「ナスル」(深水千翔撮影)。

 ヨーロッパ勢ではドイツが軍艦輸出に強みを持っています。ブルネイ海軍のダルサラーム級哨戒艦「ダルエーサン」(1625トン)は、ドイツの造船所リュールセン・ヴェルフトで2011年に竣工しました。ダルサラーム級は4隻全て同一の造船所で建造されており、ブルネイ海軍最大の艦艇として主力を担っています。ちなみにオーストラリアも、このダルサラーム級をベースにしたアラフラ級哨戒艦を導入することが決まっています。

 マレーシア海軍のケダ級哨戒艦「クランタン」(1850トン)は組み立てこそ国内にあるブーステッド重工業(BHIC)で行われていますが、設計はドイツのブローム・ウント・フォスが開発したMEKO型フリゲートファミリーの一つ、「MEKO A-100型」となっています。そのため、姉妹艦である1番艦「ケダ」と2番艦「パハン」はドイツで建造されました。

 このほかインドネシア海軍のコルベット「ディポネゴロ」(1692トン)はオランダのダーメングループで、シンガポール海軍のフリゲート「フォーミダブル」(3200トン)はフランスのDCNS(現ナバルグループ)が建造を手掛けています。

 ちなみにフォーミダブル級は6番艦まで竣工していますが、2番艦の「イントレピッド」以降はシンガポールのSTエンジニアリングが組み立てを行っています。

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