「日本初導入」「異例のコンセプト」… 小さい「ジェット民間機」激動の1年 「新・ホンダジェット」も

かつて運航停止の「737MAX」、日本では大きな動きが

●ボーイング「737MAX」を国内航空会社が相次ぎ導入決定

 2022年7月にANA(全日空)が、そして11月にスカイマークが、ボーイングの新鋭旅客機「737MAX」の導入を決定しました。737MAXは2016年に初飛行した、ロングセラー機737シリーズの最新モデル。大型で効率の良いエンジンの採用や操縦システムの改修などが加えられています。

 一方737MAXは、2018年にジャカルタで、2019年にエチオピアで連続して墜落事故が発生。これにより、各国の航空当局で1年9か月ものあいだ運航停止措置が下されていました。ボーイング社では、停止期間中に、事故の発端とされた「迎え角センサー」システムの誤作動防止や異常検知機能の追加、迎え角センサーの警告表示の見直し、飛行マニュアルの改定などを実施。2020年12月の運航開始後は安全に運航を続けています。

 ANAではもっと早く737MAXを導入する見込みでしたが、根本的な事故原因の究明や適切なシステム改修が進み、運航停止措置の解除がなされるまで、正式な購入契約の取り交わしを見送っていました。これが、再開後の実績から“解禁”となったかたちです。

 同社での導入は2025年度以降になり、「737MAX」のスタンダードモデル「737-8」を確定発注20機、オプション10機の計30機の購入契約を交わしています。

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ANAの「ボーイング737MAX」イメージ(画像:ANA)。

 ついで2022年11月、スカイマークが「737MAX」の導入を決定。こちらも2013年にはすでに737MAXを導入する意向を発表しているなど、かねてより将来の新型機として、この機を選定する意向と見られていました。

 一方、スカイマークでは、「737-8」のほか、「737 MAX」シリーズの胴体延長タイプ737-10も導入される計画です。こちらは、国内の航空会社としては初導入のモデルとなります。737-10は2021年初飛行。歴代の737シリーズでもっとも長い、43.8mの胴体をもち、最大230席を搭載できます。

 同社ではまず「737 MAX」シリーズの標準タイプ、ボーイング737-8を6機、リース契約を締結し導入。さらに、737-8、737-10を計6機(確定4機、オプション2機)の発注についてボーイング社と基本合意しています。これらの機材は2026年度より順次導入する計画です。

【画像】激快適そうな新「ホンダジェット」&スカイマークが導入「長過ぎる737の全貌」

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