新東名「海老名~東京」延伸計画どうなった? 都心側「東名バイパス」どの段階で何が進んでいるのか

いまどこまで進んでいるのか

 さて、事業化に至るまでには、地元自治体がおおまかなルート帯を決定したうえで、都市計画決定や環境アセスメントを行う必要があります。地元である神奈川県はまず、道路政策の10年計画(2016~2025年)である「かながわのみちづくり計画」で、「10年後期待される効果及び計画の具体化が望まれる自動車専用道路」に、新東名の海老名以東を記載しています。

 ただこの計画で新東名延伸部は、「横浜環状道路」に接続して計画線が終わっています。すなわち「横浜泉IC(仮)までは具体化したい」ものの、川崎や東京方面へ延伸する意思は示していません。もっとも、ほぼ同じルートで横浜新道・第三京浜が存在するため、新東名をそこへ一本化する動きとなる可能性もあります。なお、接続先の横浜環状道路も釜利谷~戸塚が事業中ですが、そこから首都高横浜北西線方面へ至る「西側区間」もやはり未事業化のままとなっています。
 
 ともあれ、横浜泉までの事業化に向けて、県は何か取り組みを進めているのでしょうか。県土整備部は「計画の具体化に向けて、国に働きかけを続けています」としています。直近では11月に沿線3県3市による「新東名高速道路建設促進協議会」が国へ要望活動を行いましたが、ここでも延伸部の計画の具体化についての要望を明記しています。一方で県によると、ルート帯の検討や都市計画決定に向けた調査については「まだ進める段階には至っていません」とのことでした。

 もっとも神奈川県は現在、工事真っ最中の新秦野IC~新御殿場IC間について、IC接続道路やアクセス道路、周辺整備などに予算を充てているところ。開通年度も後ろ倒しとなった中で「まずはこちらが一段落してから……」と考えているのかもしれません。来年度以降についても、延伸部の調査検討を行っていくかどうかは未定だといいます。

【了】

【新東名「海老名~東京」ルートと計画状況】

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コメント

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2件のコメント

  1. 相鉄いずみ野線の延伸と同時に計画するんちゃう?

  2. > ほぼ同じルートで横浜新道・第三京浜が存在するため、新東名をそこへ一本化する動きとなる可能性もあります。

    であれば、第三京浜玉川ICから都心方向の道路を何とかしないと。目黒通り経由で首都高2号目黒線へ、という感じでしょうか。
    ただ、玉川IC付近は環境保護の圧力も高く、前途多難が予想されます。
    外環も東名~湾岸の計画がまだフワフワしており、玉川ICから湾岸や3号渋谷線へは環八通りを使うことになります。もし先に新東名が開通してしまったら、環八の交通量はどうなってしまうのか…