「少しの大型空母」「たくさんの小型空母」どっちが有利? 旧海軍を苦しめた空母のサイズ問題

太平洋戦争で旧日本海軍は「飛龍」の設計を流用した雲龍型空母を多数建造しました。このタイプはいうなれば中型空母。小型空母でもなく大型空母でもない中型クラスの整備に舵を切った台所事情を探ります。

飛行甲板の広さが空母運用のキモに

 元々空母は「飛行甲板に並べられる機数」しか同時に発艦できないため、大型空母は同時に発進できる艦載機数で有利です。太平洋戦争初頭の1942(昭和17)年5月に起きた珊瑚海海戦では、旧日本海軍は大型空母「翔鶴」から、零戦9機、九九式艦爆19機、九七式艦攻13機の合計41機を一度に発艦させています。これは模型の飛行甲板に航空機を置くとわかりますが、翔鶴型の飛行甲板に41機はほぼ限界といえる数です。

 一方、アメリカは珊瑚海海戦で、「翔鶴」より長い飛行甲板を持つ「レキシントン」から、同時に50機を発艦させています。

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アメリカ海軍のインディペンデンス級2番艦「プリンストン」。同型9隻中、同艦のみ戦没している(画像:アメリカ海軍)。

 なお、太平洋戦争後半の1944年6月に起きたマリアナ沖海戦では、旧日本海軍は小型空母「千歳」「千代田」「瑞鳳」の3隻から、零戦14機、爆装零戦43機、天山7機の計64機を発進させています。機体が軽く、離艦しやすい零戦が主体でも1隻平均21機しか出せていないのです。

 よく、超大型空母「信濃」は、搭載機数が48機(+補用機2機)と船体サイズの割に少ないと言われますが、「搭載機全機を同時発進できる」という意味で、大型空母としては最大級の攻撃力を発揮できる艦型とも言えます。

 空母戦での艦載機の消耗は、1942年10月の南太平洋海戦を例にすると、出撃112機のうち約90機が失われるなど大きなものです。太平洋戦争後半になると、旧日本海軍は艦載機の消耗が大きすぎるという理由から、あえて必要ないとして空母への爆弾や魚雷の搭載数を削減したきらいもあります。空母戦の結果、飛行甲板に穴が空けば戦闘不能にはなりますが、最初に大きな艦載機数を出せる大型空母は、やはり強いと言えるでしょう

 また、大型空母の利点は着艦時にもあります。小型空母では艦載機をエレベーターで格納庫に下ろさなければ補給できませんが、「赤城」「翔鶴」などの大型空母では戦闘機を「発艦区域」に待機させつつ、他の艦載機を飛行甲板上で補給できたため、反復攻撃で有利でした。

【写真】旧日本海軍の同型艦なし空母たち

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