「巨大旅客機」の時代はもう来ないのか 新型機の課題は「空」じゃない? 超大型A380も直面

新型機にもつきまとう「空港設備」問題、ユニークな工夫も

 なお、航空輸送の国際ルールなどを定める国際民間航空機関(ICAO)は、駐機場や誘導路を統制する目的で、機体の大きさをA(小さい)からE(大きい)の5段階に分けたコードを設定していましたが、A380が登場したことで、新たに6つ目の段階「コードF」を作ります。

 A380は国際ルールを再度設定しなければならないような規格外のサイズで、この基準を満たす設備を持つ空港にしか、原則受け入れてもらえない状況です。そうなると空港を設備を抜本的に買える必要のある「コードF」以上の旅客機を製造するよりは、その範囲にサイズをとどめながらも、航空会社のニーズを満たすような機体が求められる――というのが現在濃厚な見立てです。

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ボーイング777-9(画像:ボーイング)。

 なお、このような「既存の空港設備に対応できるような取り組み」は現代の新型機でも見られます。

 先述のとおり、ボーイングでは現在、超大型双発機の777-9の開発が進められているものの、同型機は「折りたたみ式の主翼」という独特の機構が標準装備されています。そうすると、畳んだ状態だと従来型の777とほぼ同じ65m弱まで全幅を抑えることができます。

 このことで、A380レベルのサイズを示す「コードF」の旅客機になることを避けられ、ボーイング747を運用できる空港であれば、既存の設備のままで円滑に発着できるように工夫されています。

【了】

【写真】スゴすぎる!ボーイング最新超大型機の「可変式の翼」

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