西部劇の雰囲気そのまま 全米屈指の人気SLがスゴイ 「ミカド」が走る“現役”路線72km
SLで片道3時間半のショートトリップ
列車は、終点のシルバートンではデルタ線を使って方向転換を行い、デュランゴに戻ってきたら駅構内にあるU字線で方向転換を行う方式。これにより、編成の順序は常に同じ方向で運転される仕組みです。
運行ルートは海抜1980mのデュランゴから海抜2840mのシルバートンに向け登っていくかたちをとっています。デュランゴ出発は朝、そこから約3時間半かけてシルバートンへ向かうため、同駅への到着は正午ごろになります。着いた後は駅周辺で昼食をとり散策した後、シルバートンを出発して午後5時ごろデュランゴに戻る運転形態です。閑散期間は1日1往復。繁忙期間は1日2往復運転されますが、繁忙期は先行列車の後に後続列車が続くパターンで運転されます。
同鉄道は人気があるため保存鉄道ながら通年運行が行われています。冬季は途中のカスケード・キャニオンまでの往復運転となります。路線全体の標高が高いので冬は雪景色、春は残雪と新緑の景色を楽しむことができますが、冬季はデンバー方面からデュランゴに向かうロッキー山脈越えのハイウェイが雪の影響で閉鎖になることがあるため、南側のニューメキシコ側から向かう方が無難でしょう。
新型コロナの感染拡大以前は、日本からデンバーへ直行便が飛んでいたため、デンバー空港からレンタカーでデュランゴへ向かうのが便利な行き方でした。2023年3月現在は、他の主要空港でアメリカ国内線へ乗り継いで飛行機でデュランゴ空港まで行くのが最も簡単な方法かもしれません。
新緑のロッキー山脈の中に西部開拓時代の鉄道風景を見に、出かけるのも楽しいかもしれません。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
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