“いわくつきの機種”なのになぜ? JAL・ANAら3社「ボーイング737MAX」相次ぎ導入決めたワケ

JAL・ANAなどはなぜライバル機を増やさなかった?

 運航停止期間中に、ボーイング社では同システムの誤作動防止や異常検知機能の追加、迎え角センサーの警告表示の見直し、飛行マニュアルの改定などを実施。2020年12月のブラジルのGOL航空を皮切りに順次運航が再開され、「大きな不具合なく今もなお着実に運航実績を重ねている」(ANA)としています。

 一方でJALも「2020年後半以降で140万回以上の商業飛行、約350万飛行時間の実績を積み重ねています」とその実績を公開。整備士出身である同社の赤坂祐二社長も「安全性の評価は社内でも最優先に、万全を期して実施しましたが、事故原因の解析や原因への対応もしっかりされていると認識しています」と話します。

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JALのボーイング737-8のイメージ(画像:JAL)。

 上記の2社、そしてスカイマークには、機材構成に共通の特徴があります。それは、737MAXの前世代モデルである「737-800」を保有していることです。

 737MAXは操縦システムや機体設計などは極力737-800と共通化されており、現在のリソースをそのまま活かすことが可能なのもポイント。JALの赤坂社長はその選定要因として、「737-800とファミリア(親和性の高い)な機種であること」を挙げています。一方でANAの担当者も、「在来機である737-800との共通性や次世代機としての経済優位性も大きなポイント」としています。

 つまり、もし今後も引き続き安全運航ができれば、現在737-800にかけているリソースをそのまま活用しながら、新型機となったことで経済性・旅客の快適性も向上できるということになるでしょう。

 一方で、737MAXには明確なライバル機が存在します。「世界でもっとも売れた旅客機」であるエアバスA320シリーズです。この機はANAでも導入されているほか、JALでもエアバス製の「A350」シリーズを採用しているため、選択肢のひとつとして考えられます。

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コメント

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1件のコメント

  1. メーカーの整備不良で落っこちたということになっている事故のあともそのメーカーからのみ半世紀以上機体を買い続けるぐらいなんだからなにも不思議はない