ちょっと繋げれば…「第2・第3の相鉄・東急直通線」計画じつは各地にある 短距離で効果絶大!?
まだ「検討段階」の短絡線計画も
●総武・京葉連絡線
総武線と京葉線は、船橋市付近で互いに近くなります。ここに短絡線を設置して、新木場方面から津田沼方面へつなげる構想です。
新木場ではりんかい線と直通し、津田沼からは総武線と直通します。ながらく新木場止まりであるりんかい線が、千葉県へ直結を果たすこととなります。
上述2つの計画と同様、2016年に国の諮問機関が答申した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」で、整備方針に位置付けられている新線構想です。もっともこちらはまだ目立った動きがありません。答申でも「事業性に課題があるため、事業計画について十分な検討が行われることを期待」という立ち位置になっています。
●つくばエクスプレス延伸&臨海地下鉄
東京都が2022年11月に事業計画案を発表したのが、東京駅からまっすぐ豊洲方面をめざす「臨海地下鉄」です。「答申」にも位置付けられており、東京BRTをはじめとする都心~臨海部アクセスの取り組みの”総決算”ともいえるものです。
いっぽう、秋葉原という中途半端な位置で終点を迎えているつくばエクスプレスを、東京駅まで延伸する構想も、「答申」にあります。新幹線とつくば方面を直接結ぶようになるため、国際戦略総合特区としてのポテンシャル発揮へ期待がかかります。
そして「答申」には、東京駅を介して両者をつなぐ検討も期待されています。11月の「事業計画案」にもその接続は明記されているほか、さらに「有明・東京ビッグサイト駅(仮)」からりんかい線に接続し、そのまま羽田空港まで一気にむすぶという構想も掲げられています。
●川崎アプローチ線&東海道貨物支線旅客化
田町から東海道貨物線(大汐線)を経由して東京貨物ターミナル駅までを旅客化する「羽田空港アクセス線」の計画は先述の通りですが、東海道貨物線は東京貨物ターミナル駅からさらに南下し、長さ6472mもの「羽田トンネル」を抜けて、川崎市の浜川崎駅まで到達します。さらに横浜市内の臨海部には「高島線」という貨物線が鶴見から桜木町まで伸びています。
これらと鶴見線を一気につないで旅客化し、東京~横浜の臨海部における新鉄道とする構想もまた、「答申」で掲げられています。完全に新設となる部分は、鶴見から高島線までの約2.5km。まさに「ありものを最大活用」する構想です。
構想ではさらに、この臨海新線へ川崎駅からもアクセスできるよう、交差する南武線(浜川崎支線)との間に短絡線を設けるとしています。これが「川崎アプローチ線」と呼ばれる構想です。この「川崎~浜川崎」ルートはもともと古くからの貨物線でしたが、1973(昭和48)年に廃止。今も航空写真でその痕跡を確認することができますが、一部は売却されビルなどが建っており、廃線跡の活用には難があります。
【了】
羽田空港アクセス線の関係で
「久喜駅での東武伊勢崎線と東北本線の相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待。」
も忘れないでください。
関係する自治体では、鉄道会社に対して要望活動が行われています。