階段にケモノ道…通行困難な”酷道” 実は「あって当たり前」!? 国道なのにショボい道には「理由」があった

「国道」として国が管理する道路の中で、峠部分で「階段」「登山道」になっていて通行困難な区間、いわゆる”酷道”が存在します。なぜこんな道路が生まれたのでしょうか。

"酷道"が生まれるのは「ごく当然のこと」だった

 ところで、国道の誕生の瞬間である「路線認定」は先述のとおり、「この街からこの街まで道路を作らなければ」という「意思表示」でしかありません。道路としての実態があるかどうかは別の話です。認定した国道の起点と終点のあいだに急峻な山が立ちはだかっていると、道らしい道などあるはずがないのです。

 しかし、道路法第18条では「路線の認定(略)された場合においては、遅滞なく、道路の区域を決定し」なければならないとされています。

 今からまともな道を作ろうとしているのに、道路区域など決定できるのか。というわけで、とりあえず起点と終点を、「ありものの道や、それらしいルートでとりあえず繋げた」という状況が発生します。急峻な山があれば、大昔から人が行き来したケモノ道や登山道がどこかにあるので、それを「とりあえずの道路区域」にしてしまうことがあります。

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福井県の国道476号の通行不能区間。正式な図面上では、異様に密集した等高線上を細い「道路」が確かに敷かれている(福井県の道路台帳基図と国土地理院の地形図)。

 たとえば、福井県南越前町と池田町のあいだをむすぶ国道476号は、地図で見るとまったくつながっていません。しかし、道路区域が描かれた「道路台帳基図」を見ると、地形図の点線すら無い山肌に、明確に道路の形があります。「無理やり道路区域にした」ので、幅員は狭いところでわずか1.0m、勾配に至っては「71%」という尋常ではない数字も見られます。

【ヤバイ】通れるの…? 「酷道」の恐るべき姿

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