階段にケモノ道…通行困難な"酷道" 実は「あって当たり前」!? 国道なのにショボい道には「理由」があった

消えゆく運命にある"酷道"

 そうした通行困難な”酷道”には、トンネルや橋梁で立派な道路が少しずつ整備されていきました。日本の国道は徐々に、起点と終点をスムーズに移動できる、「本来めざした形」に近づいているのです。つまり"酷道"は本質的に、いずれはゼロになる運命にあります。

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廃道区間で分断された国道418号もバイパス整備が進む(画像:写真AC)。

 これまで"酷道愛好家"の中で親しまれてきた四国の「国道439号」や紀伊半島の奥地を行く「国道168号」も、改良やバイパス整備が各地で整備進行中。そのうち酷道の記憶も薄れていくかもしれません。

 完全に廃道と化していた岐阜県八百津町周辺の「国道418号」にも、壮大な橋梁とトンネルで山を一気に抜ける「丸山バイパス」が整備中。果てしない林道区間が続く福井・岐阜県境の「国道417号」には長大トンネルで山地をつらぬく「冠山峠道路」が今年度中の開通予定となっています。

 丸山バイパスは、「新丸山ダム」で沈む現道の付け替えとして一気に事業が進んだもの。冠山峠道路も、国道8号が寸断された際の代替路としての重要性を受けて、工事が進められることとなりました。道路予算には限りがあるため、重要度に優先順位をつけつつ、毎年各地で整備計画が新規事業化しています。

 少しずつ数を減らしていく"酷道"に対し、ひどい県道、称して"険道"もまだ各地に残っていますが、こちらも解消に向かいつつあります。

 国道を走っていると、脇道に木々にまぎれて小さな道路が分岐したり合流したりするのを目にすることがあります。それはかつて"酷道"として存在し、バイパスの完成を見届けて自然に還ろうとする道路なのかもしれません。

【了】

【ヤバイ】通れるの…? 「酷道」の恐るべき姿

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